カレイドスコープのむこうがわ②

カレイドスコープのむこうがわ②  Amazon
癒し⑥恋愛④
三木遊泳『カレイドスコープのむこうがわ〈2〉 (電撃文庫)メディアワークス,2007


ひょんなことから人ならざるものを感じ取れる同調者となった道弘の物語。シリーズ二巻目であり最終巻。
第六話 相思の花」幽霊のおじいさんの頼みで、思い出の品を取りに行く話。「第七話 往く春」桜の写真に紛れ込んだ瘴気にまつわる話。「第八話 巡る秋」クラスメイトの男の子から告白された志帆の話。「第九話 波の下の鳥」五話でも登場したトキの話。「第十話 残されたもの」記憶を奪ってしまう物の怪の話。以上五話収録。


七話での、洸介の頼みが苦しいものだっただけに、払いが終わったあとの道弘と志帆の会話とか好きです。二人の変化を見ていくのが本当に楽しかったー。九話での最後のメモ書きが書けるようになった道弘の成長もグッドですよね。
この道弘と志帆の甘々な関係はもちろんだけれども、道弘とトキの関係も大変うらやましい。なんか道弘がかっこいいしさ。つかず離れずの距離感っていうんだろうかしらん。


カレイドスコープのくるくると変わる鏡像は綺麗ですよね。でもある程度パターンがあるわけで、いつまでも眺めているだけじゃ成長しません。
だから、「触れられないとあきらめ」るんじゃなくて、壊してしまい二度と鏡像が見れなくなる不安と戦いながらも、むこうがわのことを知ろうとすることが大切なんでしょうね。
きっと鏡の効果がなくても輝いて見えるんじゃないかな〜。そして自分色に染めてしまえー。


三木遊泳さんの作品感想