ミステリクロノ
久住四季『ミステリクロノ (電撃文庫)』メディアワークス,2007
人間である慧と天使の真里亜の物語。久住さんの新シリーズです。
真里亜が持っていたものは、時間を巻き戻すことのできるリザレクターと呼ばれる注射器。慧は成り行き上、このリザレクターのように不思議な力を持った道具・クロノグラフの収集に協力することになります。
そんな中で事件が起こるものですから、てっきりどんな能力を持った道具を使って犯行を行ったのか推理するのかと思っていましたが、今回はちょいと違いましたね。
登場人物たちの立ち位置とか世界観に描写が割かれているので、事件が起きるまでも十分楽しかったです。真里亜の常識のなさっぷりに関するやりとりとかリザレクターが本物かどうかを確認するやりとりとか、キャラクターの魅力がはっきりしていていい感じ。
ヒロインのマリアは、アホな子ほどかわいいと思える人ならツボでしょうか。私は思わず応援したくなりましたよ。そんな真里亜にも、最後は少し成長が見えてよかったな〜。これからも色んな経験をつんで欲しいものです。面白そうな素材は配置されたので、次巻からも期待できそうですよー。
この小説が好きな人にお勧めする③
①久住さんの小説「トリックスターズ シリーズ」魔術を絡めたミステリ。→シリーズ感想
②うえお久光さんの小説「悪魔のミカタ シリーズ」不思議な知恵の実を絡めたミステリ。→シリーズ感想
③飛田甲さんの小説「幽霊には微笑みを、 シリーズ」不可思議な現象を絡めたミステリ。→シリーズ感想
