クリスマスローズの殺人

クリスマスローズの殺人  Amazon
ミステリ⑦コミカル③
柴田よしき『クリスマスローズの殺人 (祥伝社文庫)祥伝社,2006


吸血鬼が存在する世界を舞台にした推理小説シリーズ二冊目。クリスマスローズという花がばら撒かれた死体が発見される事件が起きます。ヴァンパイアが暮らす村を出て、人間の世界で私立探偵を営んでいるメグは、金欠が原因で引き受けた浮気調査の最中に死体と遭遇することから物語は迷走します。


舞台の設定上、動機やトリックなど事件の謎には吸血鬼の存在が絡んでくるのですが、これらのエッセンスがおいしく料理されていてとても満足。コミカルに話が進んでいくのですが、密室で行われた殺人だったり死体が入れ替わったりと謎と、それを解き明かす推理の過程は本格的。
コミカルな設定と本格的な謎解きがいい具合に混ざっていて面白かったー。死体を扱うから、笑いだけでなくちょっとやるせない部分もあるんだけどね。


柴田よしきさんの作品感想