DDD①
奈須きのこ『DDD 1 (講談社BOX)』講談社,2007
初っ端からがつんときますね。世間一般に悪魔憑きと呼ばれる病が流行っている世界を舞台に、左腕を失った所在が不本意ながらも悪魔祓いに巻き込まれていきます。
犬を食いまくる犯人を追ってみたりする「J the E」一話目の過去話で所在が病院にいたころの話「HandS.(R)(L)」女医さんが素敵にクールに活躍する「formal hunt.」以上、三話。トリッキーな話が多かったかな。
所在が世話をすることになるカイエも魅力的。カイエは中性的な魅力にあふれていますからね〜。二人のやりとりが面白いですよやっぱり。カイエにいじめられたり騙されたりする所在の不憫さがまたいい感じ。でもそんな所在も、とぼけたふりしておいしいところはちゃんと持っていくんだからかっこいいよ。ノリよすぎ。
他にも、どこまでも天然で突っ走ってくれるツラヌイやとびっきりの超人である所在の妹、無敵の女医さんなどすばらしいキャラクターたちが闊歩します。
一癖も二癖もあるキャラクターたちなので、安心して会話の流れに身を任せられますね。笑いがあったり核心を突く問答があったりまた笑いがあったりアクションがあったり……緩急がいい具合なのかな〜。楽しかったですよー。
この小説が好きな人にお勧めする③
①奈須さんの小説「空の境界 シリーズ」アクションあり殺人についての考察などもあり。
②西尾維新さんの小説「零崎 シリーズ」戯言シリーズから派生した物語。→シリーズ感想
③柴村仁さんの小説『E.a.G.』しがいない探偵・ゴドーと女子高生の話。→感想