バッカーノ!1705―The Ironic Light Orchestra

バッカーノ!1705―The Ironic Light Orchestra  Amazon
燃える⑤コミカル③ミステリ②
成田良悟バッカーノ!1705―The Ironic Light Orchestra (電撃文庫)メディアワークス,2007


不死の酒を契機に巻き起こる事件を描いたシリーズの過去編。連続殺人犯・仮面の男が跋扈するおかしな雰囲気に包まれている町が舞台。私塾で錬金術を学んでいる、天才の片鱗は見せつつもまだまだ青い感じのヒューイが主人公。
みんなが笑顔でいることが幸せといってはばからないエルマーが町にやってくることで、物語は動き始めます。


女性が好きで好きでたまらないボロニアル伯爵のイカした性格やモニカの淡い恋心もよかったですが、何より過去編ということで、キャラの意外な一面が見れて面白かったです。ヒューイとエルマーの出会いはこんな風だったのか〜。
これまでヒューイといったら不気味なイメージしかなかったのですが、ちょいと愛着がわいてきましたよ。かわいらしい。敵役として出てきても、これまでみたく憎めそうもありません。


一冊でまとまっていて読みやすいですし、シリーズの中でもわりとお気に入りかも。次は2002らしいですが、次が楽しみでもあり、またそれ以上に不死の酒を巡る大きな物語自体も気になってきましたよ。時代をまたにかけるこの物語はどこに転がっていくのかな。
まあ、じっくり待つとします。お酒は寝かせるとおいしくなるそうですし。


成田良悟さんの作品感想