大正野球娘。
神楽坂淳『大正野球娘。 (トクマ・ノベルズedge)』徳間書店,2007
deltazuluさんの感想を読んで手にとりました。わりと上流階級の女の子たちが通う女学校を舞台に、女の子たちが野球に挑戦してみようとする話。
大正時代なので和装・洋装が入り乱れているし価値観が違うしと社会全体がまったく今とは違いますな。それに、元気いっぱいな庶民派の主人公・小梅を筆頭に、大正の乙女たちはかわいらしい子ばかり。
まあ、野球をやろうとか思うくらいですから、お上品なだけではなく勝気な部分があったり気難しかったりと一癖も二癖もありますが。
大正時代の恋愛事情もまた面白いですよ。振り回される小梅がかわいらしいです。
野球ができるようになるために猛特訓したり、みんなで寮のお風呂に入ったり、それぞれが持つ癖というか悩みに向き合ってみたり。異なる性格の九人が、野球で男の子に勝つという一つの目標に向けて、わいわいきゃいきゃい言いながらがんばる姿が最高に魅力的です。
ああ、こんな娘たちが欲しいなとかついつい思っちゃいますね〜。
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