ノベルゲームのシナリオ作成技法

ノベルゲームのシナリオ作成技法  Amazon
涼元悠一ノベルゲームのシナリオ作成技法秀和システム,2006


コバルトノベル大賞・入選したり日本ファンタジーノベル大賞・優秀賞を受賞していたりもしてるけど、「AIR」や「CLANNAD」のシナリオを書いた涼元さんの本。背景や音楽、効果音の発注までゲーム作りの流れは一通りかかれています。
まずは心構えみたいな話から。甘い夢は見るなってことですね。行わなければいけない作業も多く、時間の費やし方が半端じゃないですし。
執筆に便利な道具やソフトの話。あるいはスランプ対策とか。この辺りは基本的なことが多いですね。決まったやり方などないので、涼元さんのやり方が例として載っています。


キャラクター設定五箇条」とかは興味深かったです。メリハリとデフォルメのバランスが大事なのか〜。ツンデレを持ち出しての例え方は面白かったです。『美味しい』ヒロイン設定でも攻略対象キャラとしては受けがよくないってのは、確かにあるある。恋愛対象ではないサブキャラなら、美味しい設定が生かせるんでしょうが……。


「キャラの書き分けは案外難しくないけど、全編に渡って統一されていけない」というのには納得。書いてるうちにぶれてくるんだよね〜。徹底的にはやるのは本当に難しい。
シナリオライティング基本の基本」検索と置換の重要性は、シナリオとスクリプトやった身としてはすごく理解できます。ゲームを作ってみる前に、さっさと読んでおけばよかったですよ。
回想調と実況調の違いはノベルゲームに限らず、執筆時にはいつも気をつけたいことだなと思う。蛇足ですが、読書感想も回想調と実況調で書いたら面白そうだ。今度時間があったらやってようかな〜。


説明と描写の違いなどは具体例が示されていてわかりやすかったです。……これまで書いてきた文章とか読むと、この辺りの基本的な部分もできてなかったような気がする。だめだめやわ〜。それと、漢字を開くことを心がけようと思います。
『絵があるなら字は書くべきでない』への反論もありました。私もどこかで聞いたことあるセオリーだったので、何も考えずに従っていましたが……。演出やら立ち絵の表情やら、大げさにしないことの大切さも。どうも凝ってしまうんですよね。わりてお手軽にできちゃうからなおさら。でもやりすぎ注意。


涼元悠一さんの作品感想