バッカーノ!1934 完結編

バッカーノ!1934 完結編  Amazon
コミカル⑤燃える⑤
成田良悟バッカーノ!1934 完結編―Peter Pan In Chains (電撃文庫)メディアワークス,2007


不死の酒を巡るバカ騒ぎを描いたシリーズの1934年編はこれで完結。獄中とシカゴの遠く離れた場所にまつわる騒動をまとめた今回は、極厚ですよ。


ジャグジーたち不良集団の会話もイカしています。他の物語だったら、不良集団の一人という脇役では終わらないだろうにというキャラばかりですからね。もっとも、このシリーズはみんな味付けが濃いから仕方ないか。薄味の人も、濃い味の中では逆に目立ってしまいますし。
アイザックとシャムの会話のような問答のちぐはぐ感もなかなか面白かったです。なんだかんだで、狂言回しのアイザックとミリアが愛しいとか思い始めてきたのは、いつごろからかな〜。


あとがきによると、人数が膨大になってきたこのシリーズも新キャラ登場はあと少しだけの予定らしいですよ。
それにしても、やっぱり狂人と狂人になりきれないやつと、素直な臆病者がうまく立ち回ってしまうんだよなーと思う。まあ、いくら奇を狙うといっても、この法則が破られたら嫌だし。
後で誰かが介抱してくれると信じているから、安心して陽気に酔っ払うこともできるんでしょうね。


成田良悟さんの作品感想