眼鏡委員長と月曜日の水玉模様

眼鏡委員長と月曜日の水玉模様  Amazon
エイプリルフール万歳嘘っこの書評です
橋本紛『眼鏡委員長と月曜日の水玉模様』メディアクークス,2008


橋本さんの曜日シリーズ、連続刊行の第二弾です。推理小説が好きな内気な中学二年生・聡史と眼鏡っ娘な委員長・朋子が関わる、日常の謎を巡る連作短編集。(以下、ネタバレあります。注意)
月曜日の水玉模様」聡史が体育から戻ってくると、なぜか鞄の中に水玉パンツが入っていた謎を巡る話。聡史は赤面&テンパってしまい、放課後に隣の席の朋子にコソコソっと相談します。
どうしてパンツが鞄の中に入っていたのか、この水玉パンツは誰のものかのかを二人で推理することに。この話が一番好きかな、インパクトあったし。 
謎を解決するためとはいえ、朋子に命令されてスカートめくりをやらされる聡史が不憫です。しかも、二人目の女の子に平手打ちをくらった聡史に向かっての一言「あんた、パンツはいてるかどうかクラスメイト全員のスカートをめくるつもりだったの? 本当にやるとは思わなかったわ。この変態」ひどすぎ。
火曜日のおでん」聡史の給食で出されたおでんが、何故か食べかけだった謎を巡る話。めざとくそれを見つけた朋子が、聡史を小突き回しながら謎に挑みます。聡史の朋子への下僕っぷりが素敵。
水曜日の窓」委員長の仕事に無理やり付き合わされた聡史が、朋子のめくれ上がったスカートの中を目撃する話。窓も締め切られており風はどこかからも入ってこないはずなのに、なぜスカートがめくれ上がったのかを推理します。パンツを見られて、冷静に推理しようとするものの恥ずかしさを隠せていない朋子ラブ。
木曜日のキッチン」聡史が朋子の家へと連行される話。おいしいココアの作り方の謎に遭遇します。朋子が牛乳にまみれになるシーンがあるのですが、ぜひそこはイラストが欲しいと思いました。
金曜日の階段」階段から落ちてきた朋子を押したのは誰なのかを推理する話。悲鳴を聞いてとっさに受け止めた聡史が、朋子の胸を揉んじゃうのは役得ですかね。私も揉みたかった。重苦しい事件になると思いきや、意外に明るい結末でよかったです。
土曜日も委員長」これまでのまとめ。各章で合理的な推理がなされていたんですが、これまで解決してきた謎が一変します。まさか聡史の気を引くために全部を朋子がやっていたとはね。さらに眼鏡で委員長というのも、聡史に覚えてもらうためのキャラ作りだったとは。
高圧的な態度の朋子がちょっと嫌だなと思うところもありましたが、ある意味くだらないことに必死になっていたんだなって考えると、朋子がものすごい萌えキャラになりました。「眼鏡じゃなくても委員長じゃなくても、水玉パンツな朋子が僕は大好きだ」と聡史が言うのも共感できます。
日常の謎系譜のミステリ小説としても、奥手な聡史がエッチなことについて悩み始める青春小説としても一級品。おすすめです。


橋本紛さんの作品感想