初恋マジカルブリッツ

恋愛⑥ギャグ③バトル①
あすか正太初恋マジカルブリッツ はじめていいます、大好きです (集英社スーパーダッシュ文庫)集英社,2005


クラスメイトの祈梨のことが好きで好きでたまらないけど、内気だから告白できずにうじうじしている鼓太郎が主人公のお話。
図らずも着替えを覗いてあられもない姿を見たり、その上ブラを手にしていたりと、序盤はコテコテのギャグで進んでいきます。鼻血出しすぎてきっと死んでしまうだろうな、とか思いつつ読み進めました。前評判どおりエロかったです。
祈梨を守るためになけなしの勇気を使ったりと、ここでは恋をしたことで成長したようにも見えました。


穏やかで甘い日々が続いていくと思いきや、鼓太郎の心臓を奪うために魔術師がやってきてから、日常がおかしくなっていきます。
魔術師の一人である鈴蘭は、イラスト効果もあいまってかわいらしさ抜群です。無表情っ娘の鈴蘭は鼓太郎を主人に認定するのですが、人間とは違うズレた感覚のやりとりが楽しいですね。鼓太郎と鈴蘭による「それは、命令か?」「違うよ」「ならば好きにさせてもらおう、――主人よ、私に命令しろ」「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛〜っ!」みたいなバカっぽ会話もグッド。


そんな鈴蘭から、好きな子とエッチしなければお前は死ぬと、鼓太郎は宣告されます。最初はこれもギャグでしかなかった印象だけど、徐々に面白くなっていきました。
お互い好き合ってるのに、心が離れ離れになっていくところが一番読み応えありました。祈梨を泣かせたくないという鼓太郎の思いと、鼓太郎を信じたいという祈梨の思いが、重なりあっているようであってない。
鼓太郎が言葉で直接的に言わなくても、祈梨に近づきたくないって気持ちが伝わってしまっている場面とかは、あるよな〜とか思う。嫌な雰囲気を乗り越えようとする祈梨は、本当にいい娘ですね。普通だったらここまで構ってくれないでしょう。
だからなおさら、一人でうじうじ悩んでいる鼓太郎のケツを蹴っ飛ばしたくなったわけですが。この辺の問題は、鈴蘭の「主人は綺麗に生きようとしすぎている」って言葉で端的に表されているかな。
傷の一つや二つくらいつけられる、そしてつける覚悟がないと愛なんて生まれないと思う。傷が一つもないようじゃ、綺麗な体しか残らないですし、それだけでは離れ離れになったときに、相手の痕跡をどこにも見つけられませんよね。
もっとも、鼓太郎の場合は傷をつけるっていっても、段階を追わずにいきなり祈梨の心臓を打ち抜けって言われてるようなものだから、大変なのは分かるけどさ。
そうそう、アノ行為は結構なページを割いて描かれていますよ。逆に妹の琴子とか、クラスメイトでも名前が出ている何人かの登場シーンは少なかったけど、次巻以降で出張ってくるのかな。
同著者作品感想
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