ルビが多いですな〜モエxコミカル


涼元悠一ナハトイェーガー ~菩提樹荘の闇狩姫~ (GA文庫)ソフトバンククリエイティブ,2006


タイトルや表紙、幕開けの盗賊っぽシーンとかからはなんか退廃的な物語を想像していたのですが違いました。主人公の恵那が異国の美少女と屋上で出会い、突然キスをされる話。裏に書いてあるあらすじには、「わたしをお食べになりたいのなら、夜まで待ってくださるかしら。ここでは、恥ずかしいわ」なんてセリフが載っていて興味津々でしたが、やはり妖しく耽美な雰囲気がムンムンです。万歳。
この美少女はフレイヤという名前のお嬢様で、メイドつきの大きな屋敷に住んでるし不思議な存在感があるし、恵那が色ボケしてしまうのも無理はありません。メイドさんの視線にさらされながらも、あっけなく「さあ、ここはどうかしら?」「あっ、そこは……」とルール無用の攻防戦を繰り広げる仲になっちゃいます。万歳。
しかもフレイヤは怪盗に扮したり制服や体操服を着たりとコスプレも大好き。いやでもメイドさんによるブルマ姿とかは想像しなかったわ。フレイヤと恵那のラブラブで終わるかと思いきや、謎の黒髪の和風美少女・這子も出てきてくんずほぐれつの取り合います。カラーイラストを見てもらえば想像できますが、恵那とフレイヤと這子はお互いに艶やかな一糸まとわぬ裸身をさらけ出してくれます。フレイヤなんて街中ですし。万歳。
さらには、親友である奏に不意打ちで芝生へと押し倒され「あーもう恵那ったら相変わらずあちこち感じやすくてかーわいんだから〜」と体をまさぐられ玩ばれたあげくに、その羞恥の現場を恵那のことが好きで好きでしかたない後輩の凛々子ちゃんに目撃されるので、結局彼女も一緒に食べちゃいます。最後は弓道部全体を巻き込んだ騒動になっていき、一人の少女の身体を巡る嫉妬の連鎖はとどまるところを知りません。万歳。
終盤、恵那は十歳児相手に欲情し始めた自分の心に戸惑いを隠せません。それを察知し付け入いる這子に誘われるがまま、寝床で二人っきりとなり裸の身体を重ねあわせます。普段は強気な恵那が這子の淫靡な唇に体中をついばまれ、なすがままにされる場面はもう頭のどこかがおかしくなっちゃいそうです。万歳。
キャラの容姿や着替えのシーン、屋敷や幻想的な風景など、ここぞという印象的なシーンでの表現は上品な感じがします。独特な雰囲気がよく出ていますよ。百合百合な話が好きなかたはどうぞ。
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