三ヶ月の間に絵が変わったような気もコミカルxラブ


沖田雅オオカミさんとおつう先輩の恩返し (電撃文庫)メディアワークス,2006


大神さんことオオカミさんが、毒吐きのりんごちゃんや視線恐怖症の亮士くんなどと、御伽銀行という組織の元で大暴れするシリーズ第二弾。一個目は「おおかみさんおつうさんの恩返しにちょっとやきもち」(以下おおかみさん略)格好も心構えも完璧なメイドさんであるおつう先輩の話。私からするとうらやましい立場の亮士くんの頼みごとに、茶々を入れるオオカミさんとりんごちゃんのやり取りが堪らなく面白い。それなんてエロゲ? みたいな言葉も飛びかってますし。
しかもその会話の応酬が普遍的なものではなく、りんごちゃんと亮士くんがオオカミさんを突っついたりとテンポがいいんですよね〜。オオカミさんはすぐに顔を赤くしちゃうんだからかわいいなもう。つか、本当に亮士くんの立場がよすぎる。変わりにおつう先輩のご奉仕を受けたいよ。いやでも、何故だかなまめかしい、おつう先輩を看病する立場も捨てがたいか。
うさぎとかめの醜い争いに巻き込まれる」乙姫さんとライバルうさみちゃんが対決する話。浦島と織姫さんコンビのお約束は相変わらずすごいな。前以上に磨きがかかってますよ。このシリーズ結構いやらしい場面が多いけど、そんな風に感じさせないのはこのノリのいい雰囲気のせいでしょうか。さて、ミスコンの順位で対決することになるのですが、両陣営ともやってることがドギツイ。そしてこれが許されてるところも素敵。終わり方もグッドでしたよ。りんごさんによるウサギと亀の教訓は、あまりにも似合ってて笑った。
金太郎少年になつかれる」小学六年生なのに無茶苦茶体格のいい金太郎に、ふとしたきっかけでオオカミさんが懐かれてしまう話。へたれっぷりを晒していた亮士くんもいいところ見せれてよかったよかった。でも、ある意味オオカミさんをやり込めてしまう金太郎少年も侮りがたし。「桃ちゃんのきび団子に完敗する」破壊力抜群のきび団子というか胸の持ち主で、女王様の素質たっぷりの風紀委員・桃先輩が、鬼ヶ島高校に殴り込みをかける話。三話目同様、オオカミさんの亮士くんに対する信頼とかが垣間見える、燃え燃えな展開もお気に入り。あと驚いたことは、魔女さんも意外にでかいんだなってことです。
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