いい締め方なので続きがめちゃ気になりますヒートxラブ


上月司カレとカノジョと召喚魔法〈3〉 (電撃文庫)メディアワークス,2005


カレ・遊矢が悪魔との契約で失くしてしまった恐怖心と緊張感を取り戻そうと、カノジョ・雪子が奔走するシリーズ第三弾。雪子は生徒会から、学園祭である「台風祭」で特別執行委員、いわば監視役となるように任命されます。執行委員として校内を飛び回るため、遊矢と一緒にいることができずに雪子はやきもきするわけですな。
一巻のときもそうですが、この学校の演劇部の劇が無性に気になります。濡れ場もあってぽろりもある高校生の劇に興味津々ですよ。そんな劇の主役を張る遊矢の天然たらし属性によって、巨乳グラビアアイドル・智子ちゃんや副会長・穂坂先輩が動きます。そのおかげで、思い込んだら一直線な雪子は、しばしば間違った方向に走り始めちゃいますけどね。
文化祭の表側では、雪子が各所の問題ごとを叩き潰したり玲とたわむれたり智子との対決があったり。裏側では、雪子の友人の美樹が召喚道具と知らず悪魔のシゼムを呼んでしまいます。期せずして呼んでしまった悪魔のために、知らなかった事実を聞かされ動揺したりも。
女の子が男の子のために一生懸命がんばって、でも男の子はのらりくらり。心の一部がないことや強い信頼がなせることなのでしょうが、他にはあまり見られないこの独特の雰囲気がシリーズの最大のポイント。今回は台風祭を通して雪子の基本スタンスが変わり、仕切りなおしてこれからが本番といった感じ。それもこれも、「わたしの本気を伝えたかったから」に象徴されるように、決心するだけでなくそれを伝えることがテーマだったからかな〜。
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