薄めでも猫に人間の食べ物はだめだって! ピータンのクロみたいになっちゃうよ!コミカルxミステリ


御影『ドリームノッカー―チョコの奇妙な文化祭 (電撃文庫)メディアワークス,2006   著者検索類似検索


ゲームシナリオライターさんが書いたと言う小説。電撃G's magazine誌上で連載されていたものらしい。サブタイトルと表紙の印象どおり、女の子がいっぱいでてきて不思議な出来事があって、仲間と一緒に謎の解決に向かう話。主人公は演劇部員で主役をはる一年生のチョコ。もちろんチョコは本名ではなく、落語の亭号みたいなもので演劇部員たちがそれぞれ呼び合う名前です。
不思議な出来事というのは、演劇のリハーサル中に携帯電話へとかかってきた一本の謎の電話。電話をかけてきた相手を探せと部長からチョコと親友の夢野、そして新入部員のアリスが命令を受けるところから物語は始まります。チョコと夢野のコンビがいい。着替えを覗き込んだり、口紅をぬってあげたりとなかなかの百合っぷりを発揮してくれます、某キャプターばりに。脇役としては、自称探偵の先輩にコンピュータ部の部長などの女の子も出てきますよ。
で、一旦ほのぼのした結末を見せておいて、さらに大きな謎が出てくるのですがこれがいい。ファンタジーな展開が読みづらいけど、テーマや筋がしっかりしているのでそこが面白かった。ミステリとしての謎解きによるカタルシスはないし、辿りついた真相そのものは大したことではないけど、そこからのチョコちゃんの葛藤が私の琴線に触れました。結末を受け入れるのに、かなり難儀したと勝手におじさん想像しちゃう。ハザマくんをもっと掘り下げて欲しかった気もするけど、男の子が控えめな分女の子が魅力的なのでいっか。コンピュータ部部長の若菜ちゃんとかラブよー。
ラノベ読みよりもゲームに親しんでいる人のほうが読みやすいかも。でも、ゲームをそのまま小説にしたようなギクシャクした感じはなく、小説的な面白さを伴った作品になっているのでご安心を〜。プロローグの締め方なんかもうまい。ノベルゲーへの耐性がある人には特にお勧め。


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この小説が好きな人にお勧めする③
鷹見一幸さんの『時空のクロス・ロード―ピクニックは終末に (電撃文庫)』シリーズ。もうひとつの世界と行き来する話。
②【そよ風組み】Productsさんの『向こうの彼女』ものすごく短いデジタルノベル。
③水落晴美さんの『夢界異邦人―眠り姫の卵 (電撃文庫)』シリーズ。夢の中を舞台に物語は繰り広げられます。