妹が先を行く場面もありますなヒートxラブ


海原零銀盤カレイドスコープ (Vol.4) (集英社スーパーダッシュ文庫)集英社,2005   類似検索著者検索


フィギュアを描いた数少ない小説である銀盤カレイドスコープシリーズ第四弾。今回はいつもと違い、毒舌かつ100億ドルの美貌を持つタズサではなく、その妹であるヨーコが主人公です。今までのちょっとシニカルな感じとは違い、マスコミを敵に回す姉とは違い優等生的ないい子な印象が強かったです。
桁外れな実力のスケーターである偉大な姉・タズサを持つプレッシャーを、ライバルの来夢ちゃんとのやりとりや恋愛話も交えて描かれています。「つまるところ、好きか嫌いかだろ?」そんな王道の展開を見せつつも、番外編のような扱いだからか、高島家の食卓がコメディ過ぎるコメディな展開。チュエリー絡みの話はタズサのかわいい一面も見れてようござんした。ヨーコに対する温かな思いやりも随所に見られ、今まで以上にタズサが素敵な女性に思えましたよ。地の文が攻撃的じゃないせいか、視点が変わると雰囲気も随分と変化しました。
さて、この巻で一休みしたところで、次回はタズサの毒舌が復活するのを楽しみにしましょうかな。読んでるだけで想像できるスケーティングの風景とタズサ節があってこその銀カレだと思うので。たまには優等生的な物語もいいけど、アグレッシブな攻めもないとなんか寂しい。