表紙に載ってる本の書影はミステリフロンティア作品の本の表紙(ややこしい)なのですが、実物と微妙に違うのはなぜ?ミステリxコミカル


大崎梢配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)東京創元社,2006   類似検索


主人公である書店員の杏子さんが探偵役のアルバイトの多絵ちゃんと、本を取り巻く環境で起こった五つの謎を解くお話。ジャンル的には日常の謎になるのかな。あわせて、本屋さんの裏側も見えてきます。あやふやな指定で本を探してくれというお客さんに困る話など、実際に本屋で働いていたときのことを思い出しながら読んでましたよ。そんなわけで最初の話「パンダは囁く」は、老人から頼まれた暗号のようなメモから目的の本を探そうとする話。実際の書籍とか出てくるし、本好きはなんとなくにやりとしちゃうかも。二個目の「標野にて 君が袖振る」は、お得意様のおばあちゃんが行方不明になりその行方を追う話。源氏物語をベースにした漫画『あさきゆめみし(1) (講談社漫画文庫)』や息子の過去などが絡んできます。解き明かされた謎は妙に切ないです。続いて表題作「配達あかずきん」は、ちょっと天然なアルバイターの博美ちゃんが、本の配達のさいに巻き込まれる事件を描いたもの。いろんな意味で、本を届けに出かけた博美ちゃんが鍵になってきます。
暴れん坊本屋さん① Amazon
六冊目のメッセージ」はまさしく本屋ならではの事件で、お客様に本を薦めた人物を探す話。何から何まで本屋さん・本を中心に進んでいくのが、私には心地よい。本好きに悪い人はいないんだよ(笑)最後は販促の飾りつけで起こった事件を描いた「ディスプレイ・リプレイ」あ〜、私もゲームのディスプレイを考えて写真を撮ったりしてたな〜(私のバイト先は、本だけでなくCDやビデオも扱う複合店だった)ネットで疑惑が持ち上がるとことか今風でリアルな感じがします。
巻末には書店員さんによる座談会もあり、まさしく本尽くめの本。推理小説とか日常の謎が好きというより、本とか本屋さんが好きなかたにおすすめ。読もう読もうと思って未だに読んでいませんが、久世番子さんの漫画『暴れん坊本屋さん (1) (ウンポコ・エッセイ・コミックス)』みたいな。本屋でバイトしたことがあるなら、思わずうなずきながら読んじゃいますよ。


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