家裁の調査官に懐かしさを覚えたヒートxミステリ


伊坂幸太郎砂漠実業之日本社,2005   類似検索


古処さんの『遮断』くらいしか直木賞候補作(受賞作品含む)を読んでいなかったので、とりあえず伊坂さんの本から手を伸ばしてみました。いつの間にか集まっていた五人の学生生活を描いたもの。
」五人が集まるきっかけとなった麻雀やらずっとついて回るプレジデントマンや超能力の話が出てきます。キックボクシングも出てきたので『終末のフール』で書かれていた別作品での取材ってこれだったんだなと納得。最後はボーリング対決です。窮地に陥りながらの対戦にドキドキしました。「抗生物質をばんばんあげちゃえばいいんですよ」「」春の最後に関わる顛末やら。くだらないはげましだけど何か西嶋がいいやつだな〜。しゃべってる内容を吟味する暇を与えずに畳み掛けるのがいいです。いいのだけれど、あまりお近づきになろうとは思いませんが^^「それは麻雀ではなくて、ただの計算ですよ!
」学際と超能力の話。とりあえず、鳩麦さんの話を聞いていて、分類したがる自分を戒めようかと思った。超能力を信じていない麻生氏との対決も面白かった。「次からはもうあのページを覗かないことにしたし」「」恋や対決などこれまで残してきたものの結末が出てきます。「前悔ですよ、前悔
ページ数以上にぎゅっと詰まっていた感じで、学生生活を大変楽しめました。表紙からはもっと違うのを想像していたのですが……。小説ならではの会話の小粋さにちょいとしたミステリ的仕掛けも健在で、伊坂さんの小説の中でマイベストだった『チルドレン』以上の面白さかも。そのわりに、いつも以上にうまく感想が書けていないのは気のせいでしょうか? まあ、面白い本は面白いとしかいえないということでひとつ。『砂漠』から『終末』と私好みの本が続けざまに出ているので、次もものすごく期待しています。


③ サウス・バウンド Amazon② 反乱のボヤージュ Amazon① 終末のフール Amazon
この小説が好きな人にお勧めする③
①伊坂さんの『終末のフール』→感想
野沢尚さんの『反乱のボヤージュ』→感想
奥田英朗さんの『サウス・バウンド』→感想