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深山森『ラジオガール・ウィズ・ジャミング (電撃文庫 (1288))』メディアワークス，2006　　　類似検索

電撃小説大賞の最終選考落選作品をブラッシュアップしたものです。情報規制を無視してラジオを流そうとするグループであり、ウワサの怪人「Ｊ・Ｏ・Ｌ海賊放送局」を巡る物語。主人公のレコリスは、このラジオのパーソナリティです。相方はレコリスの保護者兼謎の多い通信技師のダニエル。放送局の使命は、軍の上層部が禁止している情報をラジオを通して伝えることです。
違法行為を繰り返す海賊放送局と敵対関係にある軍部の面子も、知恵は働くものの直情なドロン大尉を筆頭に、どこか食えないバーナム大佐や運に見放されているオルソン曹長などどこか憎めない人物ばかり。海賊放送局と軍部の対立に加えて謎の人物・ランドロックが合流することで物語は大きなものへとなっていきます。
レコリスにしてもドロンにしても、悩みを打ち明けることのできる街の人たちの存在が大きいです。自分ひとりだけでは答えがでずどうしようもないとき、そんなときに頼れる相手が近くにいることはすごく幸せなことなのかも。こんな環境があるから、最後の少女の祈りにつながっていくんだろうな〜。甘いって言われるかもしれないけれど、私はやられちゃいましたよ。
最初は買うつもりがなく本屋に行ったときの衝動買いというかジャケ買いだったのですが、買ってよかった。流れの中でのブレもなく、心温まる作品です。「人にはそれぞれ、やるべきことがある」こんな感じです。

この小説が好きな人にお勧めする③
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③成田良悟さんの『バウワウ!―Two Dog Night (電撃文庫)』ある捨てられた島を舞台に繰り広げられる戦い。