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古川日出男『ベルカ、吠えないのか?』文藝春秋,2005
古川さんの本は初読み。何世代にもわたる犬の系譜と世界情勢を絡めたお話。350弱の作品だから厚いわけじゃないんだけれども、読み終わったらかなり疲れてしまった。もちろん、話が面白くなくて疲れたのではなく噛み砕く力がいるんですよね。体調悪いのもあるんだろうけど。
そんなわけで、途中で犬がどの位置にいるのか読み返したりしなければいけませんでした。最初はどこに向かって走っているのかまったく分かりませんでした。まあ、最後まで読んだところではっきりするわけじゃないと思います。
犬の部分がかなり重たいので、ヤクザのお嬢さんとか大統領とかの偉い人を皮肉った文章で息抜きする構成に感謝。骨太な作品。覚悟して読まないとだめですな。
この小説が好きな人にお勧めする③
①山田正紀さんの『マヂック・オペラ --二・二六殺人事件』読んでいると歴史背景も浮かび上がってくる感じ。→感想
②池上永一さんの『シャングリ・ラ』ミステリでSFなこちらも骨太な作品です。→感想
③初野晴さんの『漆黒の王子』不思議な感覚のミステリ。→感想