有川浩図書館戦争メディアワークス,2006


簡潔にまとめれば、検閲を使い悪い本を処分し始めた政府に図書館が対抗する話。設定が設定だけにいくらでも深く重い話もできそうですが、この本はそんなこと考えることなく、とにかく読んでいて面白いです。本好きには共感できる描写が多数。
蛇足ですが、現在の日本では本の規制はとくに行われていませんし、ゲームを取り巻く環境に状況が近いかも。
本が大好きな主人公の郁は、銃を片手に図書館の警備につくのですが真っ直ぐすぎて恥ずかしいです。そして、クマにも殴りかかるその度胸。甘すぎると評されるほどの実直さが周りを巻き込む様子は、ほほを緩ませずにはいられません。
内部の暗躍・恋・ロケット花火の子供たち……と次々と事件が起きてテンポよく読んでいけます。にやにやしながら読みましょう。
ちなみに、かっこいい表紙イラストを描いている徒花スクモさんは、有川さんと同期のかたです。


③ 守ってあげたい!② UNKNOWN① 海の底

この小説が好きな人にお勧めする③
①有川さんの『海の底』海自や警察が活躍する小説です。→感想
古処誠二さんの『UNKNOWN (講談社ノベルス)自衛隊を舞台にしたミステリで、こっちは重めな話。
③『守ってあげたい! [DVD]』何気なく自衛隊に入隊することになった女の子の映画。