森博嗣夏のレプリカ (講談社文庫)講談社,2000


このシリーズも七冊目。前作(→感想)と対をなすような時系列なので、今回は偶数章のみです。トリック的にはあまり関係はありません。
萌絵ちゃんのご学友である杜萌ちゃんが主人公になるのかな。そんな彼女が誘拐劇に巻き込まれるところから物語は始まります。かなり妙な結末を迎えてしまうのですが。
百ページあたりまで犀川先生コンビはでてきません。刑事である西畑と杜萌ちゃんが序盤は彼らの代わりみたいな役割を。ある意味、最近では丸くなってきてしまった萌絵ちゃんよりも杜萌ちゃんのほうがシャープで非人間的な感じを受けます。いい味をだす理系学生キャラですよ。
蛇足ですが、犀川先生曰く「ある意味」とは意味がないの意味だとか。終盤の先生登場あたりからはいつものノリですが、今回はわりと異色な印象を受けました。
最後の最後はちょっと驚きました。トリックのせいではなく、早とちりのせいですが(汗)
そうそう、今までもwebの日記を紙媒体で出されたことのある森さんですが、現在もやっている模様。森さんのブログ「MORI LOG ACADEMY」四年ぶりに復活したそうです。初めて森さんの日記を読んだのですがすごく面白いです。三月末の「何故続けているのか」では、十分稼いだのになぜまだ書き続けるのかについての考えも。