支倉凍砂狼と香辛料 (電撃文庫)メディアワークス,2006 Amazon


第12回電撃小説大賞・銀賞受賞作。内容は「ある商人と豊作の神の旅」
商人であるロレンスが道の途中で休憩しているときに少女を車の荷台から発見するところから始まります。で、この少女が豊作の神・ホロなのです。
このホロが魅力的。なんとも言えないしゃべり方に若干くせがありますが、頭がよくて抜けめないくせにりんごをにかぶりついたり子供っぽいところがあるなど、読み進めるほど愛着がわいてきます。
陰謀がうずまいていたりしますが、全体的にのんびりした印象。けっこう大きな策略にローレンスたちは巻き込まれるのに、なぜだかスローなペースが崩れることはありません。損得勘定を第一に考える商人たちの世界だからでしょうか? それとも、激しいドンパチがないからかな。とりあえず、バトルとかを期待してはいけません。なんつうか、問題の解決方法がかなり異色です。……ホロが怒るのも無理がありません^^
勢いのある突き抜けた面白さではなく、まったり読書をしたい人にお勧めです。
一番の肝は、老獪な賢者だったり、無邪気に照れたり、心を見透かすお姉さんだったり……さまざまな表情を見せてくれるホロでしょう。ツンデレではくくりきれません^^


この小説が好きな人にお勧めする③
③ ダブルブリッド 9巻② 嘘つきは妹にしておく① ポストガール
①ロボットの女の子が主人公。増子二郎さんの『ポストガール』上質な話が詰まった短編集です。お気に入りの作品です→4巻感想
②あまりライトノベルらしくない作品。清水マリコさんの『嘘つきは妹にしておく』ラノベらしからぬ味わいですよ。→感想
③全体的な雰囲気は違いますが。中村恵理加さんの『ダブルブリッド (電撃文庫)』ついに新刊がでるらしいです。