杉井光火目の巫女 (電撃文庫)メディアワークス,2006 Amazon


第12回電撃小説大賞・銀賞受賞作品。内容は「人々を襲う怪物から戦う火目になろうとしている三人の少女の話」甘甘ではありません。
最初は見慣れぬ漢字の読みに引っかかるかもしれませんが、すぐに三人の少女の中で最年少の常和が出てきてほほえましい展開になります。この常和のほかには一直線な主人公の伊月、クールな佳乃がいます。常和とじゃれる(?)伊月にそれを穏やかに見つめるお姉さん的な佳乃、とすてきな関係ができてきます。
まあ、それも佳乃や常和の過去が見えてくる辺りから微妙にゆがみ始めます。う〜ん、一筋縄ではいかない結末ですにゃ。扱っているテーマがテーマだけに、考え方はひとそれぞれなのかも。暗すぎるってわけではありませんが、明るすぎる話ではありません。ちなみに大賞をとった作品とはまったくノリが違いますよ。巫女さん萌えとかいってる場合ではありません(笑)
コメディ好きな私への直球ストライクではありませんでしたが、それでも面白かったです。受賞した作品を文庫化するに当たって、さらに練りこんできただろうなと感じられました。なんとなくですが。


この小説が好きな人にお勧めする③
③ 陰陽ノ京② インフィニティ・ゼロ① 灰色のアイリス 3巻
①雰囲気が近いかな。岩田洋季さんの『灰色のアイリス (電撃文庫 (0687))』痛いのがいやで読みたくなくても、読んでしまっていました。五巻完結。
②時代以外の設定が近いかな。有沢まみずさんの『インフィニティ・ゼロ―冬‐white snow (電撃文庫)』こっちの主人公もなかなか「そっち」の世界に関われません。四巻完結。
陰陽師の世界。渡瀬草一郎さんの『陰陽ノ京 (電撃文庫)』世界観がきっちりしてます。