野沢尚龍時 03-04文藝春秋,2004


野沢さんの遺作となったサッカーを扱った小説。内容「成長したリュウジがオリンピックを舞台に、世界の強豪に挑む」シリーズとして二作出てます。
最初はギリシャの描写が丁寧にされます。このシリーズは日本に収まらないので、いろんなところに旅行へ行った気分に慣れます。前巻でいい雰囲気になったマリアとの絡みは飛行場などわずかですが、それを見かけた少年がぽかーんとするほど濃厚です^^
オリンピックはトーナメント形式でひたすら進んでいきます。やっぱ試合の描写はすてきです。サッカーについて詳しくないとここまでかけませんよね、きっと。
龍二以外の視点として父親の物語も交錯します。視点が変わるのはシリーズ初めてじゃないかな。父親は日本を率いる監督の謎にせまります。これが結構ミステリっぽい。江戸川乱歩賞を獲得した作品よりもこのあたり面白いかも。→感想
この監督もなかなかの人物。龍二とは長い付き合いになったかもしれませんね。私と龍二の付き合いも長くなったらよかったのですが。……残念です。→既刊感想 


この小説が好きな人にお勧めする③
③ もういちど走り出そう
② 銀盤カレイドスコープ① 反乱のボヤージュ
①エンターテイメント小説の傑作。野沢さんの『反乱のボヤージュ』寮生とその管理人にまつわるお話。→感想
フィギュアスケートを扱った作品。海原零さんの『銀盤カレイドスコープ』スケーティングの描写は随一です。これ読んでフィギュア見始めましたよ。→感想
陸上競技を扱った作品。川島誠さんの『もういちど走り出そう (角川文庫)』三十後半の歯科医と陸上の話。→感想