久住四季トリックスターズL (電撃文庫 (1174))メディアワークス,2005 Amazon


最初に、内容とは関係なく愚痴を。昨日からこの本を読んでたのですが、駅に向かう途中車に水をかけられました。東京タワーは大丈夫だったのですが、こちらはぐちょぐちょに。悔しいー!
……仕切りなおして、久住さんの二作目であり続編。今回は孤立した研究棟で起こる殺人劇。密室に首吊り死体。
主人公は前作に引き続き周です。事件の鍵となるのは二人の魔術師です。
その魔術師同士がチェスで対戦するのですが、時々変則的なルールで行うと言ってます。将棋と同じように、取ったコマを自分のコマとして動かせるようにするのだとか。こういうの結構面白いですよ。私も高校時代に変則的な将棋で遊んでましたね〜。
周の先生でありまた魔術師の一人である佐杏先生がまず推理を披露するのですが、笑ってしまいました。先生はやっぱ面白い人です。先生と周のかけあいの楽しさは健在です。
リッパーさんのところも書いてあったと思うのですが、北山猛邦さんに似た雰囲気がありました。北山さんの「物理トリックの名手」に対抗して久住さんは「魔術トリックの名手」とでもいいましょうか。物理トリック談義ならぬ、魔術トリック談義めいたものもありますし。
先生の後を継いで調査をした周の推理。そして明かされる真実。
すばらしいです。ぜひ読んでみてください。
前作同様いくつか謎がちりばめられています。何個か真相にかすったのはありましたが、ずばり的中したのは少なかったです。例えば、お兄さんは以前から知っていた、と思っていたり(謎)  →前巻感想


この小説が好きな人にお勧めする③
③ 悪魔のミカタ② クビシメロマンチスト① 『アリス・ミラー城』殺人事件
①孤島で起こる殺人事件。北山さんの『『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社ノベルス)』探偵ばかりが集められています。→感想
②首を絞められて友達が殺されます。西尾維新さんの『クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 (講談社ノベルス)』主人公の立ち位置とか語り口が似てます。→感想
③人外の存在である悪魔が関わる殺人事件。うえお久光さんの『悪魔のミカタ―魔法カメラ (電撃文庫)』特殊な環境下での変則的な推理小説って面白いですよね。