村山由佳楽園のしっぽ文芸春秋,2005


ずいぶん昔から都会を離れ、農作業をしながら生活しているようです。作家と農作業って自分の頭の中ではなかなかくっつきませんでした。馬やらウサギやら犬やら猫やらにわとりやら、動物もいっぱいいるようです。そんな生活の一年をつづっているのですが、印象深かったところをメモっときます。
馬を買うなんて高い印象がありますが、引退したような馬なら数万円らしいです。馬肉換算程度なのが生々しい(^^)村山さんが買ったのは、ピチピチのお馬さんで軽自動車代くらいらしいです。
モンゴルにロケへ行ったときのことも書かれています。農作業といいロケといい、けっこう活発な人みたいです。あこがれますが、いざやってみるかと言われたらなかなか……。体験談を読んで、自分の心を慰めてみました〜。
このモンゴルでの出来事でヤギを食べることがあったらしいです。それに関連した話題として「真夏の草原横断の旅に、ヤギの肉を持っていきたいと思います。ただし冷蔵庫も氷もありません。腐らせないためにはどうすればよいでしょうか?」という問いかけがなされています。これの正解を読んだとき、戯言シリーズを思い出しました。ヤギと人間と言う違いはあれど、生き物の捕らえ方が似ていると言うか何と言うか。そんなわけで上の問いかけは、ミステリ作家が書けば面白い謎として働くように感じました。そういえば、これを読んで初めて知りましたが、村山さんはミステリの賞に応募した経験が何度もあるようです。二次や三次は突破していたとか。
最後のほうでは、ある程度ページをさいてゆとり教育についても書かれていました。自然とともに過ごす生活を通して語られる意見は、深みがあって説得力もあります。
さて、自分は何をしたいんだろうか?