リバーズ・エンドのアフターみたいなものかなラブxヒール


橋本紡半分の月がのぼる空〈6〉 (電撃文庫)メディアワークス,2006


ラノベなのに超常現象的なものは一切出てこないしシリーズ六巻目。アニメ化は果たしましたが、実写も今度やるらしいです。七・八巻は短編集みたいなので、本編はこれが最終巻。まあ、前巻で一区切りついているので、この巻にしても後日談っぽい雰囲気があります。それにしても、制服姿の里香をもう一度眺めることができようとは。まあ、一度目の制服姿のときより精神面でかなり大人になってますが。
さてこの巻では、病院暮らしを続けていた里香がダメダメな主人公の裕一と共に、何事もなかったかのように学校へと通い始めています。もっとも、同い年であってもこれまで学校に通っておらず、単位が足りなかったので後輩になってしまいますけどね。里香に惚れる同級生が出てきたり、前回登場した婚姻届の話が再発したり、里香が同じクラスの女の子と激突したりと、これまでの舞台であった病院とは打って変わって、わりと一般的な学校生活が描かれています。この巻だけ見るとどこまでも「普通」な小説ですが、この普通がいかに大切なものか知っている身としては複雑なものがありますね〜。そうそう、巫女さん姿での売上対決なんかもありましたよ。
裕一の幼なじみ・みゆきと司の関係にも進展があります。どちらもなかなか踏み出そうとしないのに、なんとなくうまくいく様子がくすぐったい。裕一の悪友の山西も将来に不安を抱えているし、不良医者&看護婦コンビの夏目と亜希子さんにも動きがあります。後日談のような位置づけなので、これまでに決断したことを実行に移す巻であるかも知れません。
「オレだって行ってみたかったんだよ! 東京へ!」」「そうだ、僕は飼いならさなきゃいけないのだ。里香を守りたいという気持ちを。」ある種あい反するこの二つの言葉に痺れましたよ。裕一が相手なので惚れたりはしませんがー。里香の現在を受け入れるだけでもかなりの覚悟がいるのに、将来までも受け入れようとするとさらに何倍かの覚悟が必要になってくるようです。私にゃ無理。責任がついてくる質問には、せいぜい善処しますと述べるのが限界かにゃ。いつまでも大人になれないわけだ。
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