◆ 日本に降り立つ十一日目

というわけで日本に到着。十日以上日本を離れていたから劇的な変化があっただろうと期待しましたが、さほど大きな変化はなく。せいぜい中日と阪神のゲーム差が、9から5に減っていたことに驚いた程度。
さて、台風も来るようだし十日分の洗濯が大変です。それも家族四人分だからハンガーとか足りないし、疲れてるしでてんてこ舞い。
ああ、メイドさんでも雇いたい……ってのは準備のときに言ったから、今度は便利屋さんでも雇いたいわけでして。

噛み合ってるようなないような会話の応酬が素敵ヒートxコミカル


三浦しをんまほろ駅前多田便利軒文藝春秋,2006   著者検索類似検索


直木賞受賞作。三浦さんの小説は初読みです。バスがちゃんと運行されているかの調査を契機に、便利屋を営む多田が高校時代一度しか喋らなかった変人・行天と出会うことから物語は始まります。三浦さんがBL好きだと聞かされると、なんとなくそんな感じがしてしまうのはプラシーボ効果でしょうか。中にはなかなか雰囲気持ったイラストもついています。
やっぱり人とは違う思考を持つ行天に振り回される多田の構図が面白い。謎に満ちていて直情的で素直で動物には好かれる、そんな行天の魅力も大きいですね。もちろん、多田にも好感が持てるしコロンビアのおねえさんなど脇も面白いです。
明かされていく行天の過去、そして多田の過去。それらが収束し、問題解決に乗り出していく過程は見事。連作短編な感じで物語は進んでいくけれど、中でも教育ママゴンに頼まれた塾の送り迎えの話が一番好き。「だけど、まだだれかを愛するチャンスはある
色んなところに伏線もあり読んでいてとても楽しかった。三浦さんの他の作品も読んでみたいと思います。


③ バウワウ! Amazon② 眠り姫 Amazon① チルドレン Amazon
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