ダークエルフの口づけ 3

ダークエルフの口づけ 3  Amazon
燃える5ファンタジー3バトル2
川人忠明ダークエルフの口づけ〈3〉―ソード・ワールド・ノベル (富士見ファンタジア文庫)富士見書房,2007
シリーズ感想
川人忠明さんの作品感想
ダークエルフの口づけを無理矢理奪った男など、興味深い話も明かされるシリーズ3巻目。たった一人で公爵の館に侵入した賊の話から物語は始まります。登場人物も多くなり、物語は大きく膨らんでいきます。
ラミアは相変わらず底が見えず不気味な存在です。ペニートも飄々とした感じで頼もしくはありますが、ラミアとは比較にならず。ベテラン警備員たちも多数登場するものの、束になってもラミアには叶わない予感。


エビータとアマデオを巡る展開もスピーディで好感触。先が気になる展開が続きます。うだうだやってるラブコメとは違って、しっくりきます。
アマデオはベラを追わずに、エビータと一緒にいたほうが絶対にお得だよ……と確信していたのに、それも揺らぎ始めてしまいました。陰謀が渦巻いてる世界の中で、純粋純朴ペアなのがお気に入りだったんですが。


そしてなにより、今回はアマデオの出生にまで物語は絡んでくる様相を呈します。陰謀が渦を巻きすぎて、グルグルと裏と表のひっくり返しが頻発。こんなに大きな物語だとは思いませんでしたよ。
それにしても、ベラの目的や真意がどこにあるのか、クライマックス直前の今巻を読んでも分からなかったです。勧善懲悪では割り切れないものがあるから、その辺りがとても楽しみです。
気がつかせないうちにここまできっちりと伏線を張り、それをまとめてあげる手腕に期待します。これまでの話も手堅く、なにより面白く描かれていたので安心です。最終巻は闇と影が交錯する世界にどっぷりと浸かりたい。