付喪堂骨董店〈4〉―“不思議”取り扱います

御堂彰彦『付喪堂骨董店〈4〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)』アスキーメディアワークス,2008
シリーズ感想
御堂彰彦さんの作品感想
不思議な能力を持ったアンティークという品物が絡んでくるシリーズ４巻目。刻也と咲の関係も絶好調です。
「影」お化けを怖がる咲はベタですが、ギャップがよいのはいつものこと。ちょうど光と影のような関係でしょうか、使い方を間違えなければコントラストがはっきりしていい感じ。ギャップ萌えです。
２面性を大勢に見せていたら、信用が置けない人と判断されがちですが、特定の人に見せる２面性は貴重がられるんだから不思議なものですね。

ポーカーで圧倒的な力を誇る相手が、どんなアンティークの能力を用いているのかを推理し、それへの対抗策を考える「ギャンブル」はお気に入り。
「小指」は、あとがきで純愛を目指したと書かれているのですが……無邪気さはある意味怖いです。それにしても、この年代の女の子が登場すると、確実に不幸路線を歩んでいるように感じるのは私だけでしょうか。
ピュアな気持ちを持ちつつも、ある程度現実を見据えた思考を持っているというイメージから、この年代の女の子が選ばれていたりするのかしらん。

咲を賭けたギャンブルの最中の叫びや歌恋に告白をされた際の刻也の対応で友人に指摘された点など、各巻の最終話以外でもデレの兆候が今回は見られました。しかし、最終話はやはり格別です。
毎度恒例の刻也と咲の物語には、今回登場した二つのアンティークが絡んできます。少しずつとはいえ、２人の仲が進展しているように感じていた今回は、じれったくてじれったくて仕方なかったですよ。