ETF投資入門 上場投信・徹底活用ガイド

ETF投資入門 上場投信・徹底活用ガイド  Amazon
太田創『ETF投資入門 上場投信・徹底活用ガイド日経BP社,2008
太田創さんの作品感想


投資信託のような株というくらいの認識だったので、ETFとはなんぞやということで読みました。
ETFと投信を比較した場合、構造が単純であり関係者も少ないので流通コストが安く済む。注文方法が株と同じように多彩だし、時価での取引可能である。この2点がメリットなのかな。後は株では付きまとう倒産のリスクがないことが大きなメリットだと思う。
投信に比べてのETFのデメリットはインデックスが原則であることと、定時定額買い付けが難しいことくらいなのかな。


ETFの説明関連で、アメリカの金融の歴史が、MMFが生まれた辺りから書かれています。とここで、TOPIXは基準日の時価総額を100ポイントとした場合の数値ということを初めて知りました。不勉強ですな〜。
TOPIX日経平均の数値以外にも、電気機器セクターの大型株全体を対象とした指数も。書かれた時点では、売買高も高くなく短期トレードには向いていないとのこと。1年以上経っているので変化してそうですが。
銀行業株価指数流動性等に問題はないものの、日経平均TOPIXに比べると配当利回りで劣るらしい。


具体的な投資方法は、用語の解説が主だったものでしょうか。テクニカルな説明は特になし。
ETF流動性と取引コストの安さを活かした、短期売買のスイングトレードの場合は、運用資産の規模が大きいところを選んでおかなければいけない。また、短期の売買となるのでテクニカルな手法を重視する。
「ハイリスク・ハイリターン・ポートフォリオ」はリスクをとって、大きなリターンを狙うもの。ここでのリスクとは損失の可能性というより、価格の変動性と認識するべき。海外ETF、特に新興国がメインとなる。


太田さんが使っているのが、損失を避けるために下がったところを購入すると言う、ひらめ戦術。割安さを重視する方法でしょうか。
感覚的に判断すると買いたくない局面でも、敢えて積極的に関わっていきます。リーマンショック後に株取引を始めた私には、これが一番しっくりきてるかも。
確かに負ける確立は少ないと思います。そもそもの取引数が少ないのですが、実際これまでの取引では負けていないですし。ただ、全体的には上がっていくという前提じゃないと……まあ、そう考えていなかったら株自体をやらないか。ロスカットはきちんと考えておかなければ。
太田さん自身は、ひらめ戦術とドルコストを組み合わせているとか。そして、アセット・アロケーションの考えが基本となっています。相関性の低い商品でポートフォリオを組んで、損失をなるべく減らそうとする組み合わせ。


最後は主要な経済指標の解説も。金価格は「インフレに強い」「米ドル資産と逆行する資産」とされており、株や為替市場の先行指標としては使えませんが、参考程度に。
心理のお話は、痛みを避けて快楽を得たい矛盾のこと。損失を避けて利益を得たいという、パラドックス的な心理状態に陥ってしまうところが味噌。
上がり続けると思うこともリスクと心得るべき。一週間で5%の上昇したからといって、それが続くことはあり得ない。なにせ、年間暴落率は1164%となってしまうわけで。
以上、こんなところでしょうか。とりあえずは、次の下落時に株と一緒に日経平均に連動するETFの購入を検討してみよう。