竹宮ゆここ『わたしたちの田中くん〈4)』メディアクークス,2008


貧乳なことにコンプレックスを持っている想馬のお話。想馬は毎朝痴漢を襲っており怖くて痴漢が反抗することのできない、でも実は臆病な女の子です。想い人である田中に会うためだけにがんばります。もっとも、彼に近づく分だけクラスメイトの松沢たちのグループから反感を買い始め、ついにはいじめられることに。ノーブラでも変わらない状態のまま、貧乳を揺らさずに運動場を走りまわされたりします。
そんな想馬の苦労を知らぬまま、田中は想馬に告白します。しかしそのために、ますますエスカレートするイジメ。修学旅行先で松沢を筆頭としたイジメの中核メンバーに、コンプレックスである貧乳を計測されてAカップであることを知られたり、普通は人に見せないデレるところを見られたり、さらには写真に撮られ弱みを握られてしまいます。本当は田中にだけ見せたかっただろうに……。
資料室やプールなどの校内でさんざん辱められるわけですが、彼女を支えるのは田中への思いと保健室の先生です。保健室の先生は純粋な善意だけではなかったりしますが、最終的にハッピーエンドに終わってよかったですよ。貧乳であることを否定せず逆に魅力にしていこうとする想馬の成長ぶりがいい。小さいってことは悪いことじゃありません。
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