2004-12-25 の検索結果:

付喪堂骨董店〈5〉―“不思議”取り扱います

御堂彰彦『付喪堂骨董店〈5〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)』アスキーメディアワークス,2009 シリーズ感想 御堂彰彦さんの作品感想 初っ端のやりとり「だからその連絡したい人って誰?」に吹いた。このシリーズの、繰り返しによるくすぐりはかなり好きなのです。シリーズ5巻目。 運、不運をコントロールできる問題のアンティークを、誰が使用しているのかを探る「幸運」2章で連続している、悪意を封じたという壷の話が展開される「希望」と「言葉」 相変わらず話の締め方はゾクッとしたり、も…

乱反射

貫井徳郎『乱反射』朝日新聞出版,2009 貫井徳郎さんの作品感想 ピントのずれた善意で街路樹の伐採に反対する女性、やる気のない公務員、傲慢な考えに満ちた老人などの小さな行動が、結果的に大きなものとして跳ね返ってくる話。 ことの起こりからして覚悟はしていましたが、低姿勢の相手に強く出るだけの人も結構出てくるので、腹の中がイライラしっぱなし。 途中で出てくる大学生の話はちょっと明るいかなと思ったもののダメで、八方塞な状況を家族を守るために打開しようと決断した話でスカっとしましたが…

断章のグリム 12

甲田学人『断章のグリム〈12〉しあわせな王子〈上〉 (電撃文庫)』アスキーメディアワークス,2010 シリーズ感想 甲田学人さんの作品感想 これまで影で活躍していた葬儀屋さんの秘密に接近するシリーズ12巻目。設定としては分かっていましたが、葬儀屋さんとコンビを組む可南子さんがどういう存在なのかを、具体的に描写されるとぐったり。 泡禍に巻き込まれた少女と、彼女の処分場面を見てしまった少年が蒼衣たちから逃走を図ります。まあ普通の視点で見たら、蒼衣たちの行動は怪しすぎるから疑われる…

空ろの箱と零のマリア 3

御影瑛路『空ろの箱と零のマリア〈3〉 (電撃文庫)』アスキーメディアワークス,2010 シリーズ感想 御影瑛路さんの作品感想 前巻の爆弾発言から幕を明けるシリーズ3巻目。とりあえず序盤のコメディパートから大変満足。茂木さんが病院生活を持て余した末に手を出した雑誌とか、一輝とマリアが服を共有していたりとかどういう状況だよ。 マリアはゴスロリ服で辱められるし、心音は踏まれたいとか言い出す始末。さらには禁断の一輝のゴスロリ姿……「や、やめて!撮らないで!」とかさすが男の子心がわかっ…

“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕

高木敦史『“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)』角川書店,2010 高木敦史さんの作品感想 本名を呼ばれると暴れてしまう奇病を患っている”菜々子さん”が、ある事件の真相を告げ始めます。deltazuluさんの感想を読んで手にとりました。 事件そのものよりも、謎に満ちた菜々子さんが魅力的です。「そりゃ残酷よ。子供だもの」なんてませた言葉を吐きつつ、お澄まし口調なども使うものの、子供っぽくて負けず嫌いで、くだけた表情も見せてくれます。 それらも全部「…

悲しみは黄昏とともに

冴木忍『悲しみは黄昏とともに (富士見ファンタジア文庫―「卵王子」カイルロッドの苦難)』富士見書房,1994 シリーズ感想 冴木忍さんの作品感想 子供同士のような喧嘩をミランシャに窘められたりしつつも、ラスボスの根城まで到達しちゃいましたなシリーズ6巻目。 決着はすぐかと思いつつも、最終巻までまだあるしと悩みながら読んでると、ムルトを倒さないでと懇願する女性が現れるなど、謎が深まります。ミランシャをかくまったりするなど一筋縄ではいきません。 それでも対決シーンは迫ってきてしま…

フリーター、家を買う。

有川浩『フリーター、家を買う。』幻冬舎,2009 有川浩さんの作品感想 自宅を出ず、漫画とゲームで遊び倒しフリーター暮らしをしている誠治が、重度の鬱病にかかった母親を目にすることから始まる物語。 母親が一身に背負っていたいじめは、読んでて苦しくなってきました。図書館戦争でもそうでしたが、危険でグロい描写も有川さんが描くとライトな感じに仕上がりますが、ちょっと想像力を働かせると気分が悪くなりますね。 父親も相当ですが誠治も頼りないので、姉の亜矢子だけが安心感を与えてくれます。誠…

船に乗れ! (3)

藤谷治『船に乗れ! (3)』ジャイブ,2009 シリーズ感想 藤谷治さんの作品感想 前回の衝撃から、自身の演奏にも自信をもてなくなり悩みが頭の中をくるくるし始めるシリーズ最終巻。演奏を手っ取り早くお金を稼ぐだけの手段へする葛藤あるいはトップを目指すという重圧が描かれています。 津島を見ていると、伊藤の真摯で真っ直ぐで、でも自分の気持ちが一番優先な行動に、ある意味とても救われます。 文化祭での伊藤、鮎川との共演を通して取り戻したかのように見せつつ、舞台から去る予定を着実に進めら…

少女怪談

藤野千夜『少女怪談』文藝春秋,2008 藤野千夜さんの作品感想 かわいらしくも怖くもない印象を受ける奇妙なラインの短編集。 「ぺティの行方」勝手に犬を連れ去る少女・みどりの話。かわいらしいイメージとは裏腹に、ゴーイングマイウェイを貫き通しているわけで。 表紙のイラストの印象を見事に裏切られましたよ。最後のページを見るとはっきりしますが、対照的なイメージを描きたかったんでしょう。 「青いスクーター」主人公は問題の原因を知っているであろうに知らないふり。純粋だからこそ、信じ込んで…

カスタム・チャイルド 罪と罰

壁井ユカコ『カスタム・チャイルド ―罪と罰― (メディアワークス文庫)』アスキー・メディアワークス,2009 シリーズ感想 壁井ユカコさんの作品感想 一文が長くて嚥下するのに時間がかかる文章を一目見た瞬間、壁井さんだな〜と思ってしまうこの身はどうなんでしょう。いや、どうもしないけれど。遺伝子を自由にいじることができるようになった世界が舞台です。 子供をカスタマイズするかどうか、どれくらいのレベルなら許されるのかなど、考え始めると止まらないな。科学が発達してなくてよかったと思い…

探偵・花咲太郎は閃かない

入間人間『探偵・花咲太郎は閃かない (メディアワークス文庫)』アスキー・メディアワークス,2009 入間人間さんの作品感想 ペット探しを仕事にしている探偵であり、それ以上にロリコンである太郎。そんな彼が出会う凶悪事件の数々が描かれています。全体的な感触としては、シュチュエーションコメディみたいな印象。 ロリコン探偵と可愛らしい幼女・トウキが一緒にいれば、なにかしら起こるというのは探偵でなくとも閃くというもの。ただその閃きは閃いちゃいけない何かのような気がしてなりませんがー。 …

 [映]アムリタ

野崎まど『[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)』アスキー・メディアワークス,2009 野崎まどさんの作品感想 映画の撮影に参加することになる芸大生・二見のお話。作成した絵コンテを見ただけで56時間も意識がなくなるほど、人間という枠を超えた才能を持つ天才監督・最原がキーマンです。芸術の話なのにやたら理系的。 最原さんはミステリアスなお人で、色々とぶった切った感じでけれんみのある会話が展開されます。二見が素直な突っ込みで、最原が計算ずくのボケ属性で……とオタク好み…

ぐらシャチ

中村恵里加『ぐらシャチ (電撃文庫 な 7-13)』アスキー・メディアワークス,2009 中村恵里加さんの作品感想 おっちょこちょいにもほどがある女子高生・榛奈が、犬の散歩とおかりなの練習を兼ねて向かった浜辺で、奇妙なシャチと出会います。 人語をしゃべるシャチなんて未知なるものに出会いながらも、「なんだったのかしら……あれ」で済ませてしまうところはさすがヒロイン。 胸を張り傲慢そうに見えるよう気張っている榛奈ににやにや。あんぽんたんな子はかわいいですね。表紙イラストからの予想…

船に乗れ! 2 独奏

藤谷治『船に乗れ!(2) 独奏』ジャイブ,2009 シリーズ感想 藤谷治さんの作品感想 南にオペラを楽しんでもらおうと試行錯誤する姿が初々しくて、男の子してるなーという甘酸っぱい感触のシリーズ2巻目。傑作です。 「魔笛」はへんてこりんな話でしたが、音楽を感受するという点ではよいのかな。意味が分からなくても笑ったり涙するものがきっとあります。 白眉は合宿最終日の南との散歩です。林に囲まれ、月に照らされた白いお化けベンチのシーンは鮮烈です。鮎川にからかわれるのさえも心地よく、くす…

薔薇のマリア(2) 壊れそうなきみを胸に抱いて

十文字青『薔薇のマリア〈2〉壊れそうなきみを胸に抱いて (角川スニーカー文庫)』角川書店,2005 シリーズ感想 十文字青さんの作品感想 シリーズ2巻目は、マリアローズに付きまとう変態・アジアンが糞ったれなSmCのリーダーに首輪を嵌められるシーンから始まります。 ダンジョン攻略とかそういう話を予想していました。アジアンの後悔が初っ端に詰まっていたので、それだけでお腹がいっぱいになってしまった気分。 マリアが出てくるところでは、甘味を食べて呆けているZOOメンバーが描かれていて…

断章のグリム 11

甲田学人『断章のグリム〈11〉いばら姫〈下〉 (電撃文庫)』アスキーメディアワークス,2009 シリーズ感想 甲田学人さんの作品感想 初っ端に添えられている「眠りの森の美女」の物語がえげつないものに微妙に変化していて、先行きが余計に不安になったシリーズ11巻目。 少女が交わしてしまった約束がどう影響してくるのか、小さな棘ですがひっかりました。得たいの知れない棘だから、なおさら怖いのです。 葬儀屋さんにも棘が絡んできます。蒼井と同じく、葬儀屋さんたちはどこか超越した雰囲気があっ…

アカイロ/ロマンス―少女の鞘、少女の刃

藤原祐『アカイロ/ロマンス―少女の鞘、少女の刃 (電撃文庫)』アスキーメディアワークス,2008 藤原祐さんの作品感想 「妾はあとどれくらい、生きられる?」という、枯葉と棺奈のミステリアスでそれ以上に不自然なインパクトのある会話から入り込む物語。KeiKomoriさんの感想(2巻)を読んで手にとりました。 近づきがたいプロローグでしたが、性悪メガネ・景介とクラスメイトのなんだかんだで楽しそうな場面は、心が軽くなり安心できましたよ。 パーフェクトな美少女・秋津や天然ぽよぽよ日崎…

告白

湊かなえ『告白』双葉社,2008 湊かなえさんの作品感想 中学校の先生である悠子が、最後に受け持った生徒たちへと、教員を辞めることを告げるシーンから始まる物語。本屋大賞などを受賞しています。 淡々とした話し言葉で綴られており読みやすいのですが、娘の事故死の真相が迫ってくるにつれて、読みやすいのが逆に怖くなってきました。 悠子先生の視点だけではなく、少年Aだったり少年Bの母親の手記を読むその姉だったり、視点が入れ替わり立ち代り話が展開されていきます。 第2章では悠子が受け持って…

断章のグリム 10

甲田学人『断章のグリム〈10〉いばら姫〈上〉 (電撃文庫)』アスキーメディアワークス,2009 シリーズ感想 甲田学人さんの作品感想 今回は「いばら姫」を題材にした、ホラーシリーズ10巻目。眠り姫として覚えている話だったけれども、どんな結末だったのか忘れていましたよ。 キーとなるのは、死んだ姉と同じ名前をつけられ、転生するという話題を嫌う少女・莉緒でしょう。名前をつけられるという、自分では足掻きようのない出来事が関係するので嫌な感じです。この辺り、生まれたときの占いが作用する…

ファミリーポートレイト

桜庭一樹『ファミリーポートレイト』講談社,2008 桜庭一樹さんの作品感想 「ママに必要とされていることが誇り」とあり、見ていて気持ちいいものではない親子関係が描かれている物語。マコのコマコに対する「愛してる」の言葉も目を背けたくなります。 伝えられないけど、知識は吸収していくコマコ。そんな少女の視点で描かれていく親子の逃避行は、幻想的だけどなにもかもが幻のようで怖い。町を移動するたびに章が変わるのですが、イメージががらっと変わってしまいます。引きずる男とは対照的な、女だから…

第21話 「世界の終わり」

CLANNAD AFTER STORY『第21話 「世界の終わり」』 シリーズ感想 汐のかわいさが、色んな表情を通して伝わってきます。でも、苦しい環境なのでどうにもこうにも。『楽しかった』からの一連の流れがピンポイントで涙腺危なかったです。……岡崎は仕事も辞めてしまうのですねー。 まだ温かそうな季節が続いていたので、雪が降っていなくてよかったと思える展開。雪が降ってるとどうしても渚のことを思い出してしまいますからね。と思っていたら、降ってきちゃいましたよこんちくしょう。 もう…

暗黒童話

乙一『暗黒童話 (集英社文庫)』集英社,2004 乙一さんの作品感想 目が見えない少女のために、他の人の目を取ってくる烏の童話が作中作として収録されている、なんともグロテスクな出だし。烏が取ってきた目のおかげで、少女は色のついた世界を見れるという設定がドロドロしてる感じがします。 左の眼球と共に記憶をなくし、以前の性格とは打って変わってしまった少女・菜深の物語です。親を始め周囲から、自分には記憶にない昔の菜深と比べられる少女の苦しい心のうちが描かれていきます。 そんな彼女が眼…

ウェスタディアの双星 4

小河正岳『ウェスタディアの双星〈4〉うら若き女王騒乱に立つの章 (電撃文庫)』アスキーメディアワークス,2009 シリーズ感想 小河正丘さんの作品感想 ロゼリエッタがめんこくて可愛いいシリーズ4巻目。ルシリアのメガネもいいよメガネ。そんなメンバーたちが、統星帝の息子であり、帝国軍の若き司令官・オリアスが暇つぶしに仕掛けた娯楽に翻弄されることになります。 目的のアルファーニを目指して突撃あるのみの、ロゼッタのその姿勢に好感が持てますね〜。アルファーニは、もう専門の諜報員に陥落し…

空ろの箱と零のマリア

御影瑛路『空ろの箱と零のマリア (電撃文庫)』アスキーメディアワークス,2009 御影瑛路さんの作品感想 ループ物ということはあらすじなどで分かっていましたが、最初はどのように読めばいいのか迷いました。どういうタイプのループ物なのか判断つかなかったので。転校生の彩矢に目をつけられる一輝の視点で、物語は進んでいきます。 ループ回数を表すような数字などで不気味さだけは漂ってくるものの、クラスメイトとのやりとりはコミカルだし、「今日の茂木霞のパンツの色は水色だ」発言なんかもあり、戸…

プシュケの涙

柴村仁『プシュケの涙 (電撃文庫)』アスキーメディアワークス,2009 柴村仁さんの作品感想 落下する少女と目が合った江戸川となぜ自殺したのかを知りたがる変人の由良、そして地面に叩きつけられた本人である吉野の話。 前半は江戸川の視点で描かれているのですが、受験生ということでカリカリしてるのか、ちょっとひねくれた感じの高校生っぽい印象でした。ただ、由良が無言でいると気まずくて喋りかけてしまうとか、由良のほうがひねくれ度では上な様子。 まあ、江戸川が由良と接していて動揺してしまう…

断章のグリム 9

甲田学人『断章のグリム〈9〉なでしこ〈下〉 (電撃文庫)』アスキー・メディアワークス,2008 シリーズ感想 甲田学人さんの作品感想 「なでしこ」の物語がモチーフの怪異に巻き込まれる、雪乃と蒼衣を描いたシリーズ9巻目。 最初の間章から、自責の念にさいなまれる少女が登場するのですが非常に痛々しかったです。終わり方はかなりえぐいですし。なかなか終わらないから、肌がざわざわしてきて痒くなり思わず顔や肩を手で触ったりも。 密度の高い具体的な描写で想起させられてからの、空白・行間が中心…

付喪堂骨董店 2 ―“不思議”取り扱います

御堂彰彦『付喪堂骨董店〈2〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)』メディアワークス,2007 シリーズ感想 御堂彰彦さんの作品感想 不思議な力を宿したアンティークを巡るシリーズ2巻目。些細な音でも気になる作曲家の男とどじっ娘メイドさんの話「静寂」自分の分身ができた男の子の話「自分」相手の目を覗き込んで記憶を共有する占い師の話「死目」時間の経過を写し取るカメラの話「化粧」の4話が収録されています。 基本は死を知ってしまった刻也が、運命を変えようとする話です。でも、全てがうまく…

屍鬼 3

藤崎竜『屍鬼 3 (ジャンプコミックス)』集英社,2008 シリーズ作品感想 藤崎竜さんの作品感想 村で続発する死の謎に対処しようとする人々を描いたシリーズ3巻目。尾崎がいらだつほど追い込まれた状況から始まります。「お前は時間を浪費した!!」の表情には、正直ぞっとしました。こういう反転が一番怖いとも言えますよね。 登場人物たちにしてみれば、普通の生活の中に死がうずまいているわけですから、どこかへ逃げ出したくなる気持ちも分かるな〜。明らかな不審者だったら近づかないなど多少の対処…

ラットマン

道尾秀介『ラットマン』光文社,2008 道尾秀介さんの作品感想 高校時代に結成したバンド・Sundownerのメンバーを中心に物語が展開されます。architectさんの感想を読んで手にとりました。 主人公・姫川の過去にきな臭いものがあるなど、序盤の展開からなんか重たいものがあります。そこら中に殺意が渦巻いている感じがしました。そんな中で死体が発見されますが、やっぱりという感じが強かったです。 被害者の過去にしても、宇宙人みたいなウサギにしても、姫川の乾いた泥がこびりついてい…

首吊少女亭

北原尚彦『首吊少女亭 (ふしぎ文学館)』出版芸術社,2007 北原尚彦さんの作品感想 ほとんどが1800年代のイギリス、ヴィクトリア朝を舞台にした短編。12作品が収録されています。秋山真琴さんの感想を読んで手にとりました。 異国の、しかも200年近く前の時代とあって、どの作品も古めかしい雰囲気が漂っています。浚い屋とか泥ひばりなんて職業もあったそうで。 どれもこれもねっとりとした嫌らしいオチがついています。作品全体が暗く、欲にまみれているので、序盤の流れとのギャップに鬱になる…