スロー・リーディング その22


・63〜67ページ
★「カート・コバーン」商業的に成功するものの、アンダーグランド志向のギタリスト。27歳で自殺した。グランジファッション(擦り切れたり穴が開いてたり)の代名詞となっている模様。
△「あたしは頭に真琴ちゃんの顔を思い浮かべた。その唇が遠くに行ってしまうことを思い、ため息を吐いた
32ページの際にも言及しましたが(→リンク)未明にとって一番最初(そしておそらく最大)の魅力は唇です。


「やっぱ、悲しいか?」「うん……」「そりゃそうだよな」「うん……」「急すぎるよな」「うん……」「元気だせよ」「うん……」「って言っても無理か」「うん……」
この和人の単調な問いかけは、読者の思いに関連しているかも。真琴が悲しんでいることは分かりますが、どの程度なのかをいまいち測りかねている状況なので。
☆「和人がいきなりシュークリームをむしゃむしゃ食べはじめた。口の中に次から次へと押しこんでいく
未明に厳しい事実を突きつける前の和人の行動。これ自体に意味はなく、次の発言が重要になってくるのでここで読者の視線を引きつけてパワーを溜めたように思われます。
「友達だから? おまえが女で、真琴ちゃんも女だから? 言う勇気がないから? どうせダメだから?」
☆「下らねえ
☆「常識がなんだよ。そんなのどうでもいいだろ
この場面での一番の肝はここ。通説→否定→主張の流れ。