スロー・リーディング その21
- 作者: 橋本紡,ヤスダスズヒト
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2002/12
- メディア: 文庫
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△「ハプニングは、いつでも突然にやってくる。いや、突然やってくるからこそ、ハプニングなわけだが」
この出だしから始まるので、続く真琴ちゃんがミハラくんにフラれた話がハプニングと思いきや、ページをめくると出てくるのが真琴ちゃんの引越し話。
△「え? いなくなるって?」「真琴ちゃん……」
長々と転校の背景を語る真琴ちゃんに対して、挟み込まれる未明の返事はこの二言のみ。さらに心理描写でも、波子さんの予言に思いをめぐらせるなど、どこか傍観者的な印象を受けます。
☆「泣きそうな顔をしながら、でも笑みを浮かべながら」
☆「真琴ちゃんは泣きそうな顔のまま、でもやっぱり笑みを浮かべたまま」
どちらも真琴ちゃんの様子です。上がミハラくんにフラれてしまったことを打ち明けたときで、下は引越し話をしゃべる下り。
未明にとって、上は安心する話ですが下はショックを受ける話。ただ当たり前ではありますが、真琴ちゃんにとっては、どちらの話も同じ重さの話ということが伺えます。