スロー・リーディング その17
- 作者: 橋本紡,ヤスダスズヒト
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2002/12
- メディア: 文庫
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☆『「ちょっとね、勘がいいくらいかな。和くんは大げさなのよ」「そんなことないって」』
波子さんにちょっと不思議な力があるとの話題から。未来が見えるなんて突拍子もない話は、本人の口で語らせるより他者(この場合は和人)の噂話的な方が説得力増す。
△『あたしには彼女たちの気持ちがよくわからない。物事は結局、なるようにしかならないのに』
占いに本気になる周囲の女子との違和感について述べた一文。達観した感じの、少し冷めた視線なのは家族が崩壊する出来事が原因なのかな。
☆『わかりきっている。その行方なんて。 「おまえのさ、悪いところだぞ、その早めに線を引いちゃうところ」 和人は真面目な顔で言った』
真琴ちゃんとの行方を占ってもらえという和人の発言に対しての未明の反応。いつもは軽い印象の和人に真面目な顔で言われると、なんだか重みがありますね。未明が克服するべき弱点。
また、この京都旅行の発端は真琴ちゃんの話題を和人が持ち出して、未明を泣かせてしまったことだったので、その罪滅ぼしとして解決の糸口を見せたかったかも。最初から計画済みだった?