宵山万華鏡

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ファンタジー4コミカル4ホラー2
森見登美彦宵山万華鏡集英社,2009
森見登美彦さんの作品感想




祇園祭を舞台にした物語。表紙のカラフルな表紙とお祭りというキーワードから、楽しい話かと思いきや幻想的で怖い京都も描かれています。色んな視点が楽しめますよ。
学生時代の不思議な友人に翻弄され祭りに酔わされる男の話は、男の一人語りということでいつもの森見さんらしく可笑しい話でした。
そんな二話目の裏側が描かれる三話目は、コミカル一辺倒で怒涛のお祭り騒ぎ。味をまとめるために描かれる、暴走する美術監督山田川と調達屋の関係もおいしいです。


以降はまた雰囲気が変わり、回廊、迷宮と続き目をくらまさせられます。
きつねと夜は短し、あるいは有頂天家族などなど。他の作品とリンクしている部分も多々あり、森見さんの作品を読んでる人なら迷わず手にとって欲しい作品。お祭りを満喫できました。


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