猫物語 (黒)

西尾維新『猫物語 (黒) (講談社BOX)』講談社,2010
シリーズ感想
西尾維新さんの作品感想
阿良々木と月火ちゃんの兄妹でのピロートークで幕を明けるシリーズ６巻目。数ページに渡りパンツ話を繰り広げるとか、物語の始まりなのに、どこか終わってる感すらあります。
そんなわけで妹たちに恋愛相談を持ちかける話から入り、羽川さんの不遇な家庭環境などが明かされるわけですが、読んでて気持ち悪いですね。そうそう、げんしけんネタはちょいと懐かしくなりました。

終盤は面白ネタを放りつつも、それさえ飲み込んでいく熱い展開になっています。印象的な文章は「僕は、欲求不満なのだ」です。
一度この心理描写をしておき、溜めておいてから、再び忍野に見得を切るのですが、全てはこの見栄を張らせるために構成が作られたんだろうなと考えちゃいますね。「猫パーセント趣味で書かれた」ものなのですし。
趣味全開でも１人よがりのオナニーになっておらず、ちゃんとエンタメしてるのがいいですよね。むしろ、羽川さんを茂みに連れ込んだ場面ではムラムラしてしまいページを繰る右手を止めて（以下、自慰。失礼、かみました）