レイヤード・サマー

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コミカル4SF4癒し2
上月司レイヤード・サマー (電撃文庫)アスキー・メディアワークス,2011
上月司さんの作品感想


かわいい幼なじみの野々子がて、信頼しあえる友人の高円寺がいてと、基本的には楽しい夏休みを過ごしていた涼平のもとに、未来から警告しにきたという少女・庵璃が転がり込んできます。
汗の指摘を受けて、枕を顔に押し付けて恥ずかしがる庵璃のイラストがかわいいですね。畳み掛けるようにきた次のイラスト、庵璃が涼平に借りたTシャツ以外に何も見つけていない状態もグッジョブでした。


未来から来たという庵璃の説明で、時間移動と平行世界の設定が語られるのですが、人物たちのやりとりとの齟齬がありモヤモヤとした状態で物語は進んで行きます。誰のことを信じればいいのか分からず戸惑うばかり。
岡目八目とはいえ、高円寺の理解の早さと察しのよさがすごくて驚きだわー。また、野々子に膝枕させて、それ以上に語らせた言葉を聞いて涼平に怒りが湧いてきましたよ。女の子にあんなこと言わせちゃだめでしょ。
しかしこの終わり方は、むずむずします。私としては本編よりも、この後涼平がどう行動していくかの方が面白そうな気がしないでもないです。


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