空想オルガン

空想オルガン  Amazon
ミステリ6コミカル4
初野晴空想オルガン角川書店,2010
シリーズ感想
初野晴さんの作品感想


初っ端のチカの素敵な活躍にニヤリとしたシリーズ3巻目。魅力的なキャラクターたちが、吹奏楽コンクールの全国を目指す話とともに、本格的なミステリが展開されるのがこのシリーズの味噌です。
本物の犬の飼い主を探す話に、ハルタを襲った珍事と奇跡の話、奇抜な女子校吹奏楽団に隠された秘密など。コンクール本番を軸にテンポよく進んで行き、最後のオルガンリサイタルの話に収束していきます。
ハルタの境遇にもコミカルな哀れさが漂っていますし、ここに登場するキャラクターはどいつもこいつも一筋縄ではいかないやつらばかり。話を追うだけで楽しくなれる物語って貴重です。
キュートなチカが大法螺をふっかける場面をイメージすると、ほんと心が躍りますね。チカのムードメーカーとしての活躍が面白いし、見守りたくなる。
今回は全編に渡って敷かれている伏線もあり、きゅっと締まっています。このキャラクターたちが織り成すお話が、大好きで仕方ない。