キケン

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コミカル5燃える3萌え2
有川浩キケン』新潮社,2010
有川浩さんの作品感想




家を崩壊させることも厭わなさそうなキケン人物・上野が部長を務める機械制御研究部、略して機研の賑やかな日々を描いた作品。どの場面でも、出演者は特別な訓練を受けていますと但し書きをしなきゃいけないレベル。
すちゃらか燃えコメディの場合、大抵ライバルを人間的に下へと位置づけることで爽快感を出していますが、今回に限ってはお前がいうなと突っ込みを入れたくなりますよ。
その分、上野とコンビを組む副部長・大神はいい男っぷりを存分に発揮してます。なのでなおさら彼を襲った悲劇には同情を禁じえません。もう少しリードしてあげればよかったのにとは思うものの、あの仕打ちはない。
そんな先輩に導かれて、ルーキー・元山がお店の子として能力を存分に発揮する学祭編は、周囲もはっちゃけはじめてからが楽しいなー。女人禁制なこのメンバーだからこその味でしょう。ああ、ラーメン食べたい。
まだまだこのサークルには描かれていない隠れた話がいっぱいあるんだろうなと想像できるのも、この物語の魅力でしょう。大変面白かったです。


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3、桜庭一樹さんの小説『青年のための読書クラブ』こちらは乙女の学園を舞台に読書クラブ員が暗躍する話。→感想