なれる!SE―2週間でわかる?SE入門

なれる!SE―2週間でわかる?SE入門  Amazon
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夏海公司なれる!SE 2週間でわかる?SE入門 (電撃文庫)アスキーメディアワークス,2010
夏海公司さんの作品感想


SEという職種がどういうものか、実態を知らないまま入社してしまった工兵のお話。私も話として聞いているだけで実際に体験したことはありませんが、社長とご対面した時点で嫌な予感しかしませんよ、これ。
そして少女のようにしか見えない室見さんのOJTを受けることになります。2週間後の首をかけてるのが切実過ぎます。
コピーや電話の対応で右往左往するのはどこでも一緒だなーと思いつつ、唐突に対応を任された最初の案件は……入社直後にこれって……いや、直後に県越えの出張命じられるくらいなんだから、あり得る話なのか。


一番共感できたのは、室見さんから繰り出される無理難題に根を上げそうになるものの、これを乗り越えてから辞表を叩きつけてやろうという、黒い感情を持つ場面です。ここは妙に思い入れが深いなー。
頼もしいお姉さんタイプのカモメさんに寄りかかりたくなるのは仕方ないことです。麻雀も鬼のように強いことですし。また、室見さんの優しさにも戦友としてちょっぴりだけ触れることができたので安心。
SEとしては未熟ながらも、室見さんとのコンビも噛み合いだしますからね。目の前で着替えちゃうとかサービス精神も満載です。そして藤崎さんも体調悪くし寝不足ながらも、笑顔で手腕を振るうとはあっぱれです。
どんなに大変な環境でも、人間関係が悪くないことが救いというか、幸せなことですよね。ここ大事だと思う。……くそっ、こんなかわいい人たちに囲まれて、SEはいい仕事だなー。うらやましいです。


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1 フリーター、家を買う。  Amazon2 県庁の星  Amazon3 ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない  Amazon
1、有川浩さんの小説『フリーター、家を買う。』中盤以降お仕事小説になっていきます。→感想
2、桂望実さんの小説『県庁の星』公務員がスーパーで働くことになるお話。→感想
3、黒井勇人さんの小説『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』この辺りも押さえておきたいところ。