ほうかごのロケッティア

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燃える4癒し3コミカル3
大樹連司ほうかごのロケッティア (ガガガ文庫)小学館,2009
大樹連司さんの作品感想


問題を抱えたクラスメイトを裏から操る箱庭ゲームに勤しむ褐葉が、覆面歌手・クドリャフカ宛の電波ハガキを転校生のかぐやに突きつけられて……という話。打順さんにすすめられて読みましたが、超面白い。
まずかぐやがかわいい。めんどくさい子であることに違いありませんが、デンデレの魅力に犯されていきます。デレてるけれどもデレ切らないところが素敵です。電波混じってるからデレなのか判別つかない部分もあるし。
あと権力者の翠も好み。甘い囁きを告げられたときは、誘いにのってしまえばいいのに何度も思いました。こんなに魅力的なむくわれない娘なんですから。確定的に、どこまでも報われない路線をひた走ってくれます。


物語としては、なぜかロケットに執着するかぐやに巻き込まれ、ロケット作りに励むことになります。一筋縄にはいきませんが、回り道をしながらも同士たちと偽者のロケットではない、大気圏を突き抜けるロケットを目指します。
これまでの自分の行いと、これから自分がやりたいことで葛藤する部分も味噌。隔離された学校とロケット作りというくすぐられる設定の上、魅力的なキャラが固められているので面白くないわけがない。
ある種の美少女ゲームに慣れている人なら、親和性はものすごく高いと思います。電波な設定を振りまきながらも、青春をも突き抜ける快感が得られるほど素敵な時間を過ごせましたよ。


この小説が好きな人にお勧めする3
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3、ゲーム『クロスチャンネル To all people』隔離された学校とループの話。