カスタム・チャイルド 罪と罰

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シリアス7鬱3
壁井ユカコカスタム・チャイルド ―罪と罰― (メディアワークス文庫)アスキー・メディアワークス,2009
シリーズ感想
壁井ユカコさんの作品感想
一文が長くて嚥下するのに時間がかかる文章を一目見た瞬間、壁井さんだな〜と思ってしまうこの身はどうなんでしょう。いや、どうもしないけれど。遺伝子を自由にいじることができるようになった世界が舞台です。
子供をカスタマイズするかどうか、どれくらいのレベルなら許されるのかなど、考え始めると止まらないな。科学が発達してなくてよかったと思いますよ。手が出せなければ、悩む必要がありませんからね。


クレーマーから返品されてきた子供を育てる知佳が主人公の一話目は、気楽な気持ちで読み進められるのですが、序章での影はやはり残っています。遺伝子がその後の生活に与えるかどうかもテーマです。
知佳に育てられた春野やカスタマイズされていない清田、アニメのキャラを模した子供であるレイがメイン。子供をカスタムするのも、現在の感情からいったら異常だと思いますが、普通に成り代わっているのですね。
途中から特に顕著ですが、春野のちゅうぶらりんな性格に、不安を覚えてしまいます。さらには物語の核心である春野の弟に言及されていくわけで。清田がかっけえのですが、惜しくらむは爽快感のなさだろうな〜。