探偵・花咲太郎は閃かない
入間人間『探偵・花咲太郎は閃かない (メディアワークス文庫)』アスキー・メディアワークス,2009
入間人間さんの作品感想
ペット探しを仕事にしている探偵であり、それ以上にロリコンである太郎。そんな彼が出会う凶悪事件の数々が描かれています。全体的な感触としては、シュチュエーションコメディみたいな印象。
ロリコン探偵と可愛らしい幼女・トウキが一緒にいれば、なにかしら起こるというのは探偵でなくとも閃くというもの。ただその閃きは閃いちゃいけない何かのような気がしてなりませんがー。
また、さも当たり前かのようにさらりと描いてあるけれども、キャラクターたちの発想が突飛過ぎます。探偵も探偵で目の付け所が違います。
無茶苦茶な薄さを追求した設定ですが、人物設定を描き、特殊能力を明かし、ちょっと捻くれた話をやった後の、殺し屋から殺害する人物の依頼を受ける話は脂が乗り始めていて面白かった。4章もわりと方向的に好み。
会話も楽しめるようになっていきますからね。本質に切り込むのが持ち味でしょうが、正面切ってこられるより、こうくだらないやりとりの中にちびっと仕込んでもらえると嬉しいな。
この小説が好きな人にお勧めする3
1、入間さんの小説「嘘つきみーくん シリーズ」たーくんは受身流され型で、みーくんは積極的破壊型ただし半径1メートル以内。
2、西尾維新さんの小説「戯言 シリーズ」たーくんは変態に囲まれ逃げられず、いーちゃんは天才肌の変人に愛されてる。
3、森橋ビンゴさんの小説『ラビオリ・ウエスタン』世の中には殺し屋がいっぱいいて怖いのです。→感想