[映]アムリタ
野崎まど『[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)』アスキー・メディアワークス,2009
野崎まどさんの作品感想
映画の撮影に参加することになる芸大生・二見のお話。作成した絵コンテを見ただけで56時間も意識がなくなるほど、人間という枠を超えた才能を持つ天才監督・最原がキーマンです。芸術の話なのにやたら理系的。
最原さんはミステリアスなお人で、色々とぶった切った感じでけれんみのある会話が展開されます。二見が素直な突っ込みで、最原が計算ずくのボケ属性で……とオタク好みの会話の応酬がとても心地よいです。
驚きを通り越して呆気にとられるほどの最原の手腕を見せ付けられつついちゃつきつつ、画素さんともいちゃつきながら楽しいサークルライフを送るわけですが、不気味なレンズはついて回るわけで。粘着質でいややわー。
しかししかし、私としてはスタッフロールがいらなかった。常人には理解しがたい天才を描くには必要な場面とはいえ、理解できない子はやっぱり萌えません。天才じゃなくても理解の及ぶ子がいいのですよ〜。
この小説が好きな人にお勧めする3
1、西尾維新さんの小説「戯言 シリーズ」シリーズ最初は、天才が集まった孤島で起こる殺人事件を扱っています。→シリーズ感想
2、入間人間さんの小説「みーまー シリーズ」なんとも読みにくい嘘だらけの底が見えてこないドツボなお話。→シリーズ感想
3、森博嗣さんの小説「S&M シリーズ」超越した天才も登場し理系な雰囲気で満たされたミステリシリーズ。→シリーズ感想