シアター!

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燃える6コミカル4
有川浩シアター! (メディアワークス文庫)アスキー・メディアワークス,2009
有川浩さんの作品感想


弟の巧が立ち上げた劇団「シアターフラッグ」に債権者として兄の司が関わってくる物語。プロの声優である千歳の加入と、貸した300万を2年間で返せなければ解散という司の指令により幕を明けます。
引き受ける外注仕事では稼げるのに、劇団自体は赤字を出すという業界の不思議を始めお金周り関係の話が面白かったです。あの手この手で劇団の興行を黒字にしようと奮闘するストーリーはピカイチ。


作中でも「分かりやすいものを軽視する風潮」を批判しているわけですが、シアターフラッグは有川さんそのもののような気がします。
軍隊好きの熱血屋で、軽快な口調で広報を担当し、3枚目担当な部分もけっこうあり、他人の才能に嫉妬しつつも格好いい女を演じたい。実際にカメラを回してる司は、カメラワークを重視する有川さんそのまま。
うっかりヒロべえな部分もあるので、司や千歳や巧そして牧子などの恋愛関係を書き忘れたようです。でも、大丈夫。鉄血宰相な有川さんは売上があれば続編を書くはずです。みなさん買いましょう!


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