クロノ×セクス×コンプレックス 1

壁井ユカコ『クロノ×セクス×コンプレックス 1 (電撃文庫 か 10-17)』アスキー・メディアワークス,2009
壁井ユカコさんの作品感想

卒業式の日にやってしまった幼馴染の小町への態度を反省し、なんとか仲直りできないかなと思いつつ三村が高校の入学式に向かうと、なぜか魔法学校へ入学することになる話。視点が変だと思ったら……。
いつもの壁井さんはどこいったーと叫びたくなります。ミムラという女子生徒になっていて、同室の女の子・ニコの着替えシーンを目撃してしまったりくんずほぐれつな体勢になったりと、うれしはずかしな展開が続きます。
女の子の体に戸惑う辺りは、おいしいシュチュエーション。極めつけは時間の跳躍で、どれもこれも魅力的な素材で目移りしてしまいますよ。

家業の知識が役に立ったり、思いとは違う結果が出るなど、ままならない環境に悩む姿がまたよいのです。魔法のワードのくすぐりにもニヤリ。
また、オリンピアと協力体制に入っていく辺りは小気味よい展開でした。お気に入りのニコのかわいらいい部分も見えましたし。
あとがきにも書かれていますが、ドキドキワクワク要素がいっぱいです。そして、オリンピアの姉・アレクサンドラに犯されそうになる場面は笑いましたね。でもちょっと興奮しました。この倒錯感はなんとも言えない。

ドキワクいっぱい夢いっぱいですが、一部擦り切れる箇所もあります。むしろ擦り燃えるくらい。あっさり書かれてるから一瞬だけど、心臓に悪かったです。あそこまでやってしまうのが、壁井さんなんだろうなーと思うしだい。
なにはともあれ、まだまだ始まったばかりといった感じですが、出だしとしては素晴らしい掴みでしょう。今後の暴走具合がとても楽しみです。

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