キノの旅 13

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時雨沢恵一キノの旅〈13〉the Beautiful World (電撃文庫)アスキー・メディアワークス,2009
シリーズ感想
時雨沢恵一さんの作品感想
キノとエルメスが様々な国を渡り歩くシリーズ13巻目。今回のあとがきは普通じゃないけど、おかしくもないです。真摯な姿勢が印象的。
凄い国」コーヒーに絵を描く国お話。カラーのお話はどれも短いので、深く考えずに読んじゃう私は気に留めない話が多いのだけれど、このお話は意外に好きです。最初はわりと流して読んだのですけれどもー。
読了後にかかる重さみたいなのが、今の私にぴったりだったのでしょう。自分にしかできないことを追い求めるのが悪いことじゃないけれど、みんなが一斉にその流れに乗るのは、少しだけ違和感があります。


昔の話」過程にこそその人らしさって現れるのかも。でも、他の人にとっては過程より結果を判定式に放り込んでますよね、効率的に。
全てのフォローを試みるとパンクは必須ですが、それを補うために想像力があると思います。時間は有限でも想像力は無限大だと言いますし。
旅人の国」ティーの素朴な疑問が響きます。分かち合いたいと思ったら、ずっと一緒にいるのが素直な方法。ただ大人になると、それは家族でも無理だと経験から判断してしまい、伝えることのできない一言かも。
自身の生活を見ても、想像より経験を重視しているように思えます。自分が笑えるためにやらなければいけないこと、必要なことは、結構あるな。


質問形式で進むあとがきは最初こそ笑い含みでしたが、真面目に回答されていました。普段ちゃらけているところしか見せてくれないイメージだったので新鮮でしたよ。もうすぐ10年なんですね。