秘曲 笑傲江湖 4

秘曲 笑傲江湖 4  Amazon
燃える5バトル3コミカル2
金庸秘曲 笑傲江湖〈4〉天魔復活す (徳間文庫)徳間書店,2007
シリーズ感想
金庸さんの作品感想
魔教の向門天と一緒に行動しているのですが、連れて行かれた先は書や碁、酒を嗜む人たちがいて……と序盤から引き込まれるシリーズ4巻目。
はったりを十分に利かせた展開が、予想のつかないものとなっており楽しくて仕方ないです。また、これまでの奇想天外な体験も、妙なところで生きてくるから食わせ物。面白さは折り紙付です。


剣の達人を色々と見てきましたが、今回は筆や碁盤を得物として用いている達人が登場します。これでわくわくしなきゃ嘘ですよね。
手合わせを経て、物語はさらに深い部分に潜っていきます。どこに到着するか分かりません。序盤は謎が謎を呼び、興味が尽きることはありません。
令狐中のレベルアップもすごいところまで来たな〜。自分ではそのつもりがないのに、自然とここまで力を蓄えてしまったところが運命というかなんというか。人徳なんでしょうね。


どうにかして手助けしようとあれこれ奮闘する中盤は、様々な枷があり思うようにいかないのがもどかしくあり、面白い部分。あと、きな臭い部分がけっこう出てくるようになりました。
令狐中がさらなる誤解に陥りそうで嫌な空気です。霊珊と林の会話をひっそりと聞くしかないのは不憫でした。物語の大きな謎が解かれる日が待ち遠しいですが、令狐中の誤解が解ける日がそれ以上に待ち遠しい。
終盤のように、少ない人数かつ頼りなくても、気持ちが通じている人が令狐中の傍にいるのは安心します。この安心が長く続くといいな〜。